2012年05月30日

日本「オレだっていっちょ破綻してみてーけど銀行がさー・・・」


さてさて長らくお待たせしました。
これから始まりますはニッポンの借金都市伝説、そのゴールだ。
前回の内容を把握してくれている前提で進めていくので、今回が初見の方がいたら、ちょーっとクソ長いけどまずは前回の記事を読んでくれ。
ついでにコメント欄まで見てくれると説明の手間が省けて助かるんでよろしく。


前回の話では、この日本政府が抱える借金をどうすれば良いのか、どうすれば借金がゼロになるのかという話に触れていなかった。
これはやり忘れたのではなく、そもそもそんな事考える必要なんてないから推敲の段階で削っただけなんだけど。
どうにもそこら辺が納得行かない人もいたようだ。
たまたまコメントしてくれた人がおいらにぶった斬られただけで、同じような疑問を抱いたヤツは結構いるだろ?
そういうヤツは斬られたヤツよりタチ悪いから絶対にプギャーすんじゃねぇぞ。
どれだけ否定しても、そもそも借金=ダメなことという固定観念はなかなか壊せないだろうし
借金があるより無い方がいいに決まってる!という考え方から抜け出せない気持ちもまあ分かる。
実際においら達個人レベルで言うならその感覚はきっと正しいはずだしな。

現在抱えている日本政府の借金によって現在の日本が破綻する可能性はゼロ%だ。
破綻するかどうかという話に限れば、そんな可能性を心配するくらいなら明日テメーの頭に隕石が降って来る心配をしたほうがいくらかマシだし可能性が高い。
だけど、それと日本国民の生活が順風満帆かという話はまったく別問題だ。
そういう意味では今の日本はあまり良い状態とは言えない。
そしてそんな事は実際に日々を生活しているみんなが一番感じていることだろう。
実感としてそんな状態なのに無理矢理「ほら、日本は大丈夫なんだぜ!」とシメようもんなら一気に全体の説得力が無くなるだろうなーと。
それとあまりにも記事が長くなりそうでゴニョゴニョ

まあ、そんな感じの大人の都合で削った話なんだけど。
「お前、実はこの借金どうしたら良いのか分かんねーんじゃねーの?」
とか言われるのも気に入らねぇ。
やってやんよと相成りました。


とりあえず前回のおさらい。
日本政府は銀行からカネを借りて、それを使うことでカネを使わない国民や企業の代わりに消費を高めているよー。
返済すると同時に同じだけ借りて、自転車操業やってっけど何か文句ある?
という感じだ。
借金の額は増えていくけど、どんだけ増えても返済期限までにお金を用意できるんだから問題ねーぜーと。

じゃあ、日本が破綻する!とかのたまう破綻厨の「破綻」ってのは具体的にどういう事さと。
付き合うのも馬鹿々々しいけど、返済期限までにカネを用意できない、つまりどこの銀行も貸してくれない状態になったら日本が破綻するってこった。
破綻厨がこんな初歩の初歩な借金のシステムにさえ考えを巡らせるおつむを持って騒いでるとは思えないけど。
しゃーねぇからおいらが代わりに破綻厨の足りないおつむを補って考えてやると、まあこれ以外に有り得ないんだ。
いまさら言うのもなんだし、確定している事をわざわざ言い直すのもアレだけど、馬鹿かと。


まず前回でも書いたけど、銀行はカネを貸したくて仕方ないんだぜ。
政府が借りれないも何も、向こうから頭下げて貸させてくれ!って土下座する勢いなのに、借りれないなんて事があんの?って話。
銀行ってのはカネを貸して利子で食っていく商売。
おいらが100万貯金すりゃあ確かにサイフに100万は入ってくるが、その100万は同時に「いつか返さなきゃならない100万」だ。
いつ返すかなんて分からんから、ちょっとそこからチョロまかして買い食いするくらいなら良いけど、おいらが「返せー」って言う時には必ず100万耳を揃えて用意しなきゃあならない。
そこで100万用意できなければ、それはつまり
「返済期限までにお金を用意できませんでしたー」
ということになり、それこそが破綻だよな。

これも厳密には語弊があって、預かるカネが多ければ多いほど、そんな巨額のカネをみんなが揃いも揃って「全額返せー」なんて言う可能性は限りなく低いのであって
チョロまかして買い食いできる額も多くなるんだけど、やっぱりリスクは伴うよな。
このときチョロまかして買い食いした額が大きくなると、前回の記事で紹介した「銀行の資産と借金」の値で借金の方が大きくなっていくんだ。
これが前回でちょろっと触れた、資産が上回ってるに越したことはないけど、少なくても直ちにどうこうってほどの問題じゃねーよってこと。
もちろんあの表は日本の銀行全部をひっくるめた値だから、個別に見れば特に地方銀行とかの中には結構ヤバい銀行もあるかもしれんね。
総資産が少なければ少ないほどちょっとの借金の上回りが致命的になるのは個人だろーが企業だろーが銀行だろーが同じ。
だから総資産が多い国はまーったく心配ないし、総資産が少ない個人の借金はヤバいかもね。

話を戻そう。
この景気のクソ悪い中、後先考えずにポンポンものを買うヤツなんていないだろ?
誰だってそう、おいらだってそうだ。
こういう景気の悪い時っつーのはみんなカネを使わずに貯めるんだよ。
それがさらに景気を悪くするんだけど、仕方ないんだ。
そんな状況下で銀行からカネを借りる?ジョーダンじゃねぇよなぁ。
でも、そうなると銀行はどうやって稼げば良いんだ?
郵便局やコンビニがやってるように、社員にギフトセットのノルマ定めて自爆営業でもさせてみっか?
それも銀行法だか何だかで禁止されてっから大っぴらにはできねーんだよな。
あくまで金貸しはカネを貸して稼がなきゃ。

そんな状態の銀行にとって、無尽蔵にカネを借りてくれる日本政府って神じゃね?
そうでなくても貸したくてしょーがない上に、そんな超超超超優良顧客の日本政府がカネを借りられなきゃあ破綻だって?
日本政府が破綻してカネを借りてくれなくなったら、一月とおかずに次に破綻するのは自分達だぜ。
こっちから地面に頭をメリ込ませてでも貸しますでしょーが。
何なら伝家の宝刀フライング土下座でも披露してやんぜと。
ぜーったい返してくれる相手に利子つけてカネを貸すってのは、100%勝ちの決まってるギャンブルと同じだ。
指定した日に賭けたカネが絶対に増えて返って来る。
それがいざとなったら実質「カネを刷る決定権」を持っている日本政府が相手なんだから、絶対の絶対だ。


あっちゃー。
これじゃどうやっても日本は破綻しねーよなぁ。
まあ、アホみてーに際限なくカネ刷ればコメントで指摘があったようにインフレ&円安になっちまうけど。
このクソデフレ&クソ円高の現状で少しくらいカネ刷ったからって、超消費、超生産しまくりの日本でそんなすぐにインフレなんてするはずねーんだよ。
それに少しくらいインフレ&円安したとしても、そうなって困るヤツなんざ特定の業種の企業と腐るほどカネ抱えてる金持ちしかいねーだろ。
その困る方々がいろいろと政治に口を出せちまうのが悩みどころだけどな。

でもこれじゃあ破綻厨って納得しねーよなぁ。
どーにかして「日本政府がどこの銀行からもそっぽ向かれてカネを借りれない」という状況を想定しなきゃならんよなぁ。





うーーーーーーーーーーーーむ。





・・・あ。
あったよ、あった。
絶対条件じゃなく相対条件だ。
つまり、政府が借りたかろうが何だろうが、それよりも銀行として魅力的な融資先が見つかれば良いんだよ。
さっきも書いたように、政府にカネを貸すという行為は100%勝ちが決まってはいるけど、100%勝ちが決まってるギャンブルの配当がそんなに高いワケがない
国債の金利がまさにそれだけど、個人向け国債の利率が10年で0.1%だったよな。
大口や企業、銀行相手の国債だとそれよりは幾分マシだろうけど、鉄板な代わりに儲けはそう多くないんだ。
銀行はできるもんなら企業に貸したいけど、それができないから仕方なく国に貸してるとも言えるんだな。

じゃあ、国に貸す必要が無くなるくらいに銀行からカネを借りたい企業が増えたら日本が破綻すんだよな。
そのためには企業がカネを借りて投資するような経済状態ってことだ。
あれ?企業って不況だからカネを借りたくないんだっけ。
それがカネを借りまくれる状態って・・・。


   好 景 気 じ ゃ ね え か ! ! !


政府が借金してまで公共事業しなくてもGDPは勝手に上昇するじゃん!
GDPが上昇したら税収も増えるから、今度は借金しなくても返済できるじゃん!
そう、都市伝説の通りに日本が破綻する状況というのが、まさに日本にとってのゴールだったということさ。

それに何度も言うけど、日本が借金しているのは外国でもIMFでもなく日本国民だ。
日本国民が使用する通貨は「円」。
そしてその「円」を刷るという奥の手も日本政府(正確には日本銀行)は有している。
どう転んでも破綻も破産もしねーんだよ。

もしこれがドルで借金してたなら、外国の通貨を日本が刷るワケにゃあいかないから破綻の可能性はあったのだが。
その可能性も万に一つ以下だ。
日本がドルの国債いくら持ってるか知ってる?

1兆2000億ドル。

まあ、色んなドルを一緒くたにしてるからはっきりは分からんけど、少なくとも7割以上が米ドルだ。
つまりアメリカ様は少なく見積もっても8〜9000億ドルの借金を日本にしてるって事になるな。
アメリカの国家予算のだいたい35%くらいだ。
コレ放出して円に両替してもいいんだけど、アメリカ経済は確実に死ぬ。
アメリカ経済が死んだら世界の経済が死んで、結果的に円の価値もなくなるから放出できないんだけどな。
アメリカだけじゃねーぞ。
日本ってのは世界中にこんな感じでカネ貸してんだ。
一部のクソメリケンが世界の警察(笑)とかほざいてるけど。
だったら日本は世界の銀行だっつーのオラ頭が高けぇよ札束ビームと国債フラッシュ食らわせんぞクソ毛党。
ご自慢のイージスにF22-Aラプターと原潜艦隊、現ナマの弾丸無しで動かせるもんならやってみろい。
・・・・日本がアメリカを敵に回すメリットなんか無いから有り得ない話だけどね。
アメリカが日本に戦力を割いて日本を守らなきゃならない義務に近いメリットはあるって事だ。


調べれば調べるほど経済面での日本の無双っぷりが明らかになるだけなんで、この辺で十分だよな?
いつか貼った、日本円が世界各国の通貨をフルボッコにしているAAは決して大袈裟ではないんだ。
日本が借金で破綻する可能性はゼロ。
だからと言って日本経済に問題が無いわけじゃなく、むしろ問題だらけ。

だけどそれは日本の借金とは別問題であり、問題の根源は今の政権与党とそれを支持する阿呆の頭ん中だ。
なんせあいつら、野党の猛反発を受ける前の提出予算で国債発行額を削ろうとしやがったからな。
そうやって見せかけだけでも「ほら!借金額は減ってますよ!」とでもやって支持を得ようとしたんだろうさ。

さて、ここでみんなに問題だ。

もし、その国債を減らした予算が何かの間違いで通っちゃってたら。
そしてマスコミがこぞって
「民主党政権すごい!リーマンショック以降増え続けてた借金が減ったよ!」
とマンセーした内容の報道を飛ばしまくってたら。

そこのアンタ。
この記事を見る前のアンタはどんな反応をしただろうか。
そしてこの記事を見た後のアンタはどんな反応をするだろうか。


どっちの反応も、間違いなく同一人物であるアンタのする反応だ。
多くの人間にとって一次ソースであるだろうマスコミが「本当の事を伝えない権利」を行使する事の怖さについていま一度、深く考えてみて欲しい。

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この期に及んでまだ日本が破綻すると信じて疑わないそこのお前。
そんなに破綻がヤベーなら、騒ぐだけじゃなく破綻を回避する方法の一つでも考えろよ。
お前らの話っていつも破綻する!の一点張りで、「だから何?」の部分が決定的に欠けてんだよ。
破滅すると騒ぐだけなら、そんなもん政治でも経済でも無ぇ。
1999ノストラダムスや2012マヤの奴らが言う世界滅亡のオカルト妄言とどこが違うんだ?

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posted by 猫耳将軍 at 13:10| Comment(8) | TrackBack(0) | 政治?経済? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月15日

うっはww借金って999兆でカンストじゃねーのかよwww


久しぶりにリクエストがあったので、今回は「日本の借金」についてやってみようかと思う。
ただの薬屋がブチアゲても良い話の限界を大きく踏み越えている気がするけど気のせいだよね!
できるだけ分かりやすくするつもりだけど、それでも分からない事があったらコメントで質問してくれ。

さっそく説明と行きたい所だけどその前に。
聞くところによると、日本の借金についての都市伝説が飛び交い、それがにわかに信じ込まれているようだ。
その都市伝説の内容とはこうだ。

日本の借金が1000兆円を突破!今なお増加中!
このままでは税収では借金を賄い切れずに日本が破綻する!


どこが都市伝説なのか分からない奴しかいねーかもしれんな。
そう、こんな間違った都市伝説を信じ込んで「日本ヤバイ!」と危機感を募らせてる阿呆ばかりなんだよ。
前提からして間違っている奴相手に本題に切り込んで無駄になるのも面倒臭い。
まずはこの間違った前提条件の誤解を解く所から始めよう。


まずはこの借金問題。
テメーがサラ金に借金してるのと同じ感覚で考えてる馬鹿が多すぎる。
借金をしているのは「日本そのもの」ではないし、相手だってサラ金みてーなヤクザではない。
「誰が」「誰から」借金をしているのかさえ理解していない輩がどこをどう突いたって正しい意見など浮かぶはずもない。


【誰が借金してんのよ?】

借金をしているのは「日本政府」だ。
これまた勘違いしているだろうが、日本政府は日本そのものではない。
日本国というコミュニティの中で極めて大きな力を持つものの、あくまで一つの「団体」に過ぎない。
サル山のボスと幹部たちみたいなもんだ。
そのサル山の中でも「誰がどのくらいカネ持ってて、どのくらい借金しているか表」が日本銀行から定期的に公表されている。
最新のもので2011年12月現在の資料があった。

参考資料 http://www.boj.or.jp/statistics/sj/

この中にある「主要部門・取引項目残高表」というのがそれだ。
いきなりこんなもん出されても見方が分からないだろうから、大雑把に抜粋して表にしてみた。
2012y05m08d_141504921.jpg
これを見れば分かるだろうが、日本政府は確かに1000どころか1100兆に届くくらいの借金はあるが、同時に473兆の資産も有していることになる。
そして日本全体で見ると、むしろ約218兆のプラスである事も分かるだろう。
サル山のボスの借金だけ見て「ヤバい!」と騒ぐことの滑稽さが少しは理解できただろうか。
具体的には民主、社民、共産の方々なんだけど。
社民、共産は主義の違いからそこを騒ぐのはまだ分かるけど、民主ェ・・・。
現在の政権与党は民主党で、この借金を背負っているのは民主党自身とも言えるんだけどなぁ。
いつまで代案も出さずに批判だけしてりゃあメシ食えた野党気分でいる気なんだか。
消費税上げたいにしても下策にも程があるだろー。


【何で借金してんのよ?】

次に「誰から」借金してるのか・・・の前に、その借金は何に使われているのかを説明しよう。
ちょうど先日、平成24年度の予算が可決されたので、それを見ながら説明する。

参考資料 http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2012/h24_zantei01.pdf

PDFファイルでクソ重いから、できれば違うタブやウインドウで開くのがお勧め。
この中の「歳入」という項目の「公債金」というのが阿呆共の言う「借金」のことだ。
平成24年度は44兆円くらいの公債を見込んでるということになる。
じゃあ、借金を減らすために、とりあえずこの借金を全部ナシにしてみるとどうなるか。

とりあえず、日本からあらゆる「国立」と名の付くあらゆる組織が消える。

マジマジ大マジ。
ついでに「国立」とは付かないけど、医療費、国営インフラ、災害支援、警察、消防、自衛隊、国営補助金などなどなど。
これら国が運営するあらゆるサービスが消える。
そう、この公債金というのは、日本と言うコミュニティに属する全ての人間に対するサービスを運営・実行・維持するために使われているお金ということだ。
誰かが言ってたよな。

「仕分けによってムダを無くすことで9兆円の資金の捻出が見込める」って。

ソース http://www.nicovideo.jp/watch/sm7692442

奴らがムダと断じた資金の主な捻出先こそがこの公債の分野だ。
つまり、上のセリフを阿呆にも分かるように翻訳してやると

「国民へのサービスを削ったらお金出てくるよ!生活しにくくなるけどいいよね!」

と言っていることに他ならないんだな。
おい、民主党政権になってから生活しにくくなったとか言ってるそこの阿呆。
奴らは最初から「仕分けする」って言ってたよな?
つまり最初から「サービス減らすぜ」って公約でもはっきり言ってたんだぜ。
そんな奴らに政権を与えたのはテメーら自身なんだよ。
理解できたら罰として腹筋100回3セットやって解散総選挙でも待っとけ。

っつー事で、公債を減らす事はできなくなった。
じゃあ次は収入を増やしてみる?
いっちょ税金行っちゃう?
消費税の是非について言及しちゃうと完全に脱線してもう戻れなくなるから、次に多いのは法人税か。
これも民主と社民、共産がギャーギャー言ってるけど、世界的に見ると日本の法人税ってもう十二分にクソ高いんだぜ。
そーでなくても円高が進んでるのに、これ以上法人税高くされたらバックレるしか無いだろ。
バックレるってのは脱税じゃなく、拠点を海外に移すってこと。
結果的に税収も減るし、雇用も減る。
後述するけど、こうなると無条件で景気は悪化する。
これまた愚策もいいとこだ。
だいたい、使い道も理解できてないのに税収だけ増やしてどーするんだ。

・・・そういや民主と社会主義政党ってヤケに意見が合うよねぇ。
民主党なのに意見は社会主義とか、ずいぶん体張ったギャグやってるんだな。
ああそっか、大ボスがすぐ西にある社会主義国ゲフンゲフン


【ちょっとだけ我慢したらどうなんのよ?】

先にも書いたように、公債はサービスに使われている。
公債として使われたカネってのは最終的には国民に還元されているという事だ。
じゃあ、全部とは言わずともこれを少しだけ我慢して削ったらどうなるだろうか。

順を追って説明しよう。
まず、何をもってして「景気が良くなった」と判断するか。
これはGDPという数値で大まかに表すことができる。
GDPとは個人、企業、政府が全部合わせてどのくらいカネを使ったかによって算出される。
今の日本のGDP実額は約500兆円。

参考資料 http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/menu.html

仮に公債を10兆だけ我慢したとすると、それだけで単純に年次GDP実額がマイナス2%だ。
今の日本であればGDP成長率0.5%も改善すれば間違いなく名君と称されるであろうGDPにおいて、2%という数値は見た目より遥かに重い。

しかし、事はそれだけでは済まない。
例えば、おいらが奮発して10000円の牛肉を買ったとしよう。
ここで消費に10000円がプラス。
お肉屋さんもいつもより儲かったので、今日は一本8000円の吟醸で晩酌だ。
消費に8000円プラス。
酒屋さんは吟醸売れてほくほくしながらユニクロに行き、5000円で服を買う。
消費5000円プラス。
ユニクロはそうやって儲かった利益の3000円を設備投資に充てる。
おいらは一万円だけ使ったつもりが、いつの間にかGDPでは26000円として算出される事になる。
まさにカネは天下の回り物であり、こうやって消費が見た目の数値以上にどんどん増えていくことを「乗数効果」と言う
ここまで言えばもう分かるだろう。
公債を10兆減らすという事は、サービスの質が低下するだけではなく、おいら達に回ってくるお金の額も減るということだ。
最終的に減るGDP実額が何十兆になるのかは想像もできん。


【いつから借金してんのよ?】

これで、サービスを減らすわけに行かないのは確かだが、公債があれがけの巨額になってしまうのはそれだけが理由ではない事は理解できたはずだ。
税収を還元するだけでは現状の消費を維持することができなくなっているための借金だ。
では、税収で賄い切れなくなったのはいつなのか。
それこそが平成二年。
いわゆる「バブル崩壊」というやつだ。
バブル経済がどういうものだったかをやっちまうとそれだけでまた3回くらい更新できるからこれまた省略。
とりあえず今は「みんながお金を使いまくるからお金が回りまくって景気が良かった」という認識でいい。
このバブル崩壊を境に税収が減り、同時に政府の借金額も増えていったということだ。


【どーして借金してんのよ?】

サービスは減らせないから国債を発行して賄い。
国民の消費も減っちゃって企業が危なくなったから、これまた政府が国債を発行してそれを支えたんだ。
もしもこの時、政府が借金するのを嫌って税収の分しか国債で賄わず、企業を見捨てていたらどうなっただろうか
GDPがどうやって回るかを理解できた今ならもう分かるよな?
同時に、この根本的な問題を無視して「借金!借金!」と喚くことの無意味さも少しは理解できただろうか。


【じゃあバブル崩壊後って具体的に何があったのよ?】

GDPを形成する個人、企業、政府の消費のうち、企業の消費が大きく落ち込んだんだな。
それをカバーするために政府は銀行の金利を下げたり、公共事業を増やしたりして対応しようとした。
金利を下げれば企業がお金を借りやすくなり、そのお金を使って設備投資=企業の消費が増える。
公共事業はそのまま政府の消費だ。

普通の景気悪化であればこれで上手くバランスを取るだけで済むはずだった。
だけど、バブル崩壊は文字通りケタが違ったんだ。
カネがぐるぐる回るうちに勢いと金額もどんどん増えていた。
その状態こそがまさにバブル景気そのものなのだが、この普段では有り得ない大きさと勢いの歯車がいきなり止まってしまったんだ。

具体的には、企業が回避する暇もなく多額の負債を背負い込んでしまった
個人も借金とまではいかずとも、持っていた資産の価値が暴落して総資産を大きく減らす事になった。
カネを持ってないのに投資しようとするのは阿呆だけだ。
まして借金を抱えてしまったのだからなおのこと。
政府がいくら景気対策として金利を減らして企業がお金を借りやすくしても、借金を抱えてる企業が借りたがるわけが無い
金利の引き下げは企業が借金を背負う前にやるべきことであって、背負ってからいくら引き下げても借りる奴なんていなかったんだな。

そうやって起こった不況は企業が借金を返しきるまで続くことになる。
それが更にGDPを減らし、さらに企業の見た目の資産価値も減るため、銀行の貸し渋りも進む悪循環。
貸し渋った銀行は銀行で、カネを持ってるだけでカネが生まれるわけでなし。
カネを転がして金利が生まれない以上はいち企業である銀行の消費も落ち込む
このドン詰まりの不況こそが、みんなも中学校の社会で習ったであろう「バランスシート不況」ってやつだ。

さらに
消費が落ち込む  ←  さらにモノが売れなくなる
 ↓            ↑
モノが売れない     給料が減る
 ↓            ↑
モノの値段が下がる → 利益も薄くなる


この最悪の悪循環が最近よく聞く「デフレスパイラル」と呼ばれるものだ。
こうして表にしてやると、需要の低下を補うために利益を削ってモノを安く売ることの無意味さがよく分かるはずだ。
やれ牛丼がいくら値下がりした、だのよくニュースになっているが、あれはつまるところ
「どれだけ日本の景気が悪化しているか」というニュースに他ならない訳だ。
安く売るのが悪い訳ではないし、安いものを買うのも当然のことではあるが、それが巡り廻ってテメーの給料を少なくしている要因の一つであることは深く心に留めておくべきだ。
個人が散財してどーこーなる話でもないけど、安くないと買わないという節操の無さと浅ましさは結果的に自分の首を絞める。


【じゃあバブル崩壊したらどうすりゃ良いんよ?】

どうするも何も、GDPが景気の目安であり、それを構成する三つ要素のうち二つがダメになってるんだから、残る一つがしゃかりきになって頑張るしかない。
つまり「政府の消費」の更なる増加だ。
そして、最終的に政府の消費の行き着くところは「公共事業の増加」だ。

公共事業を増やすんだから、更に公債金を増やさなければならない。
借金を減らすための借金だ。
だが、この不況時に、一体どこに貸すほどカネが余ってるのかと思う人もいるだろう。
実はこの不況ムード一色の今だからこそ唸るほどカネを溜め込んでいて、しかも貸したくて仕方ない奴がいる。
それが銀行だ。
わけがわからないかもしれないが、そこまで難しい話ではない。
銀行がどうやってカネを稼いでいるのかを考えればいい。
銀行がお金を得る手段は二つ。
預金を預かるか、貸したカネの金利を得るかの二つだけだ。
しかし前者の預金は、預かった金額ぶんお金を得るのと同時に、同額の借金を作ることに等しい。
純粋な「利益」と呼べるものは金利で得るしかない。
そして、金利を得るにはお金を貸すしかない。
政府はお金を必要としていて、銀行はお金を貸したがっている。
どっちも損しねーんだ。
そりゃ、借りるわな。


【それが答えだ!】

政府が「誰から」借金をしているのかを後回しにしてきた理由ももう分かるよな。
答えは日本国内の銀行。
そしてその銀行の資金=国民の預金ということは、政府が借金しているのは銀行にカネを預けている国民ということになる。
あ、口座にお金が入ってない人や働いてない人は別に世話になってないんでデカいツラしねーで下さいねwww

国民からとは書いたけど、建前上は1100兆の政府の借金の大部分は日本の金融機関からしている事になる。
だが最初の画像にある通り、それでもなお日本の金融機関の資産は負債を上回っている
こう言うと下回ると危険と勘違いされそうだが、まあ上回ってるに越したことは無い。
下回ってもただちに危険とかではなく、むしろ先進国の中で上回ってるのは日本だけだ。
全ての国を見渡してみてもこれが上回っているのは社会主義国と、あとは観光や開発の特需で一時的に伸びている国だけだ。


【つまり・・・どういうことだってばよ!?】

よく「日本は国民一人あたりウン百万円の借金を背負っている」というキャッチーな煽りを入れる下衆がいる。
もちろん悪意に満ち溢れてはいるが、このフレーズは日本語が省略されているだけであながち間違いとは言えない。
つまりこうだ。

『日本(政府)は国民一人あたり(に対して)ウン百万円の借金を背負っている』

こうすれば誰にでも正しく認識できるだろう。
な?悪意に満ち溢れてるだろ?
別においらやあんたが借金を背負ってるワケじゃあないんだ。
むしろ貸してる側ってこと。

だけど今すぐ返せとか無茶言うんじゃねぇぞ。
そもそも「国民一人当たり」なんて馬鹿丸出しで何の意味も持たない数値に乗ってやる必要なんてないんだ。
すぐ返してもらったって少なくとも日本国民はだーーーれも得しない。
それともあんたが返して貰ったウン百万のはした金を使って政府より上手に公共事業やれるのか?って話になるんだ。
できもしない責任をわざわざ自分から負う必要はないさ。


【いつまで借りるの?】

もう一度「なぜ借りてるのか」を思い出すといい。
カネが回ってないと困るけど、政府以外にカネを回すことができないから代わりにやってるんだ。
政府抜きで回るようになれば、政府が借金する必要なんて無くなる。

本当は麻生政権の打ち立てた日本全治三ヵ年計画、少なくとも麻生が在籍していた一年目は上手く行ってたんだけどな。
カップラーメンの値段が分からないとか、漢字が読めないとかくっだらねぇ理由で引きずり下ろしたのはどこのどなただったっけか。
ちなみに今でも麻生がまともに漢字が読めないと思ってる阿呆は、彼が総理に就任した時の所信表明演説を一度でいいから聴いてみろ。

彼が毛筆で書いた文字を一度でいいから見てみろ。
AsoReijo.jpg
ついでに彼が行った「失政」を一つだけでいいから挙げてみろ。
なぁに、あれだけ必死になって叩き下ろしたんだからそんなに難しい話じゃないだろ?
少なくともおいらが知っているだけでも誰が見ても明らかでわりと有名な失敗が二つはある。
「まともな国民」を自称する方々なら、十や二十見つけるのは簡単だろうさ。
おいらは「まとも」という名のキチガイじゃないから二つしか分からんわ。


【じゃあ、破綻する心配はないの?】

無いとは言えない。
が、都市伝説が言うような今すぐどうこうという話では絶対にない
イオングループが破産するのと同じくらいは可能性あるんじゃね?
・・・いや、イオングループの財政がどんな感じかは全く知らんけど。
企業も国も、資金繰りのやり方が全く同じなのよね。

Aさんから1000万円お金借りる
   ↓
返済期限が来る前にBさんから1000万円お金借りてAさんに返す
   ↓
返済期限が来る前にCさんから1000万円お金借りてBさんに返す
   ↓
返済期限が来る前にAさんから(ry
   ↓
返済期限g(ry
   ↓
返(ry・・・・・以下ループ


自転車操業と言うと聞こえは悪いかも知れんけど、やってる事は同じなんよ。
ただし、これが危なげなく成り立つのは、資金がとんでもないケタでやりくりしているデカい団体だからだぞ。
原資も信用もない一般家庭レベルでこれをやると、利子だってあるんだからあっとゆー間に資金がコゲ付く。
この「コゲつく」というのが破綻だ。

つまり、返済期限までに返済金額を準備できなかったら、そこで初めて破綻となる。
逆に言えば、借金の額がいくらデカくても返済期限までにその額を用意できれば破綻とは言わないんだ。
ココ大事だよ。
「借金を背負ってる」という事と「破綻」という事は全くの別物なんだ。
むしろ企業以上のデカい団体は常に借金を背負っている状態が普通であり、同時にそれを返済できるだけの資産や借金のアテがあれば何の問題もないということさ。
これが一番最初に言った「テメーがサラ金に借金してるのと同じ感覚で考えてる馬鹿」って事。
返せない額を無計画に借りて、返済日までに返済できない事こそが「破綻」って事だ。
で?
国が借りてるカネの返済期限っていつさ?
返済期限が無いのに「いつ」「誰が」「破綻」するって?
ま、本当は返済期限もちゃんとあるんだけどね。
個人向け国債の証券持っていながらこんな馬鹿みてーな妄言に踊らされてる阿呆なんて流石にいねーでしょ?

ちなみにいま確認したら、個人向け日本国債の利率って3年でたったの0.1%しか無いのな。
競馬と同じでリスキーな国債ほど高い配当なんだけど、0.1%てww
競馬だったら当たっても払い戻しで終わるくらい鉄板、つまり破綻の可能性はそんだけ低いってこと。
興味があるならギリシャ国債や韓国国債あたりと比べてみれば、きっと幸せになれるよ。
ロクに働かない国の世界的信用度がどの程度のモンなのかがよく分かる。

結局あれだ。
誰が、誰に、どうしたら、どうなるのか、それで誰が得するのか、を全く理解していない人間はいつも食い物にされるんだよね。
何度もなんども言ってる事で「またかよ」と思われるかもしれんけど、ほんとこれが真理だよ。
そういう人間を食い物にし続けてる職業のおいらが言うんだから間違いないって。

とりあえず、大まかに都市伝説の誤解を解いてみたけど。
・・・分かり易いか、コレ?
分からんかったら分からんって言ってくれんとおいらも分からんからな。
大雑把に輪郭をはっきりさせただけでこんだけ長くなっちゃったから今日はおしまいにするけど。
中身とか肉付けも本当はしたいんだよな。
これ以上分かり易く書ける自信がないから、これでみんなが理解できるなら続き書くかもしれん。
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国の舵を取る人間のアラしか探さない国民に政治に参加しろっつーのが無茶だよなぁ。
まさに衆愚政治そのもの。
あ、探さなくてもアラが丸見えな人を擁護する話じゃあないんで、現在の政権与党の方々はお帰り下さいね。

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posted by 猫耳将軍 at 13:20| Comment(29) | TrackBack(0) | 政治?経済? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月03日

念のため、おいらは質問に忌憚なく答えてくれる久光さんが大好きです。


「で、だったらどの商品が良いんスか?」

今回はこの続きからだ。

これに正しく答えられない薬屋がクソだとは書いたが、実はこの質問自体はそこまで難しいものではない。
・・・はずなのだが、それでもなお正しく答えられない薬屋の多いこと。
いや、おいらが勧める薬がベストアンサーかというと怪しいものだが、それでも勧めるからには「理屈」から生まれる「理由」を基に判断を下している。
理屈が備わらない理由など「何となく」以外にあるはずもなく、そんなもん理由でも何でもない
自分の中に「理屈」が通っていれば、同じ症状で同じ状態の人間(有り得ないが)には同じ薬を勧めるはずであり、そこがコロコロ変わる専門職の人間は信用に値しないというのがおいらの持論だ。

しかし、特に湿布薬はどいつもこいつも成分が似通っているせいか、同じ薬屋でもその時によって勧める商品がコロコロ変わる薬のひとつだ。
湿布薬は大雑把に分けて2種類。
入っているのが強い痛み止めか弱い痛み止めかの二種類しかない。
少なくとも、能書きから読み取れるカタログスペックからはそれらの種類と寡多だけ。
ゆえに能書きの副音声と能書きが語りもしない裏情報をいかに多く持っているかの勝負であり、湿布薬に関わらず、これが試験をパスしただけじゃ売り場に立つには力不足と言われる数多くの理由のうちの一つだ。

先ほども書いたように、湿布薬は大雑把に分けて二種類。

主に第三類医薬品に分類されるサリチル酸メチル及びサリチル酸グリコールが含まれるものと
主に第二類医薬品に分類されるインドメタシン及びフェルビナクが含まれるもの。

さらに上位には第一類のボルタレンやら指定二類のモーラスやらがあるけど、主旨から外れるので割愛。

サリチル酸兄弟が弱い痛み止めで、インドメタシンとフェルビナクが強い痛み止めだ。

「筋肉痛なんだから痛みを取れば勝ち!だから後者が正解だろ」

これだと50点。

「じゃあサリチル酸兄弟出せばいいんだな」

これは0点。

どちらの種類の商品の能書きにも「筋肉痛」の効能がある以上、どちらの系統の商品を出しても間違いではない。
だったら何故、方や50点で方や0点なのか。
その明暗を分かつ要素こそが「理屈」だ。

筋肉痛において、痛みを取り除くのはとても大切な要素だ。
それを主目的にするのは間違ってはいないが、痛みを取り除くことが全てではない。
だから50点。
痛みに関しては大きく劣るものの、サリチル酸系の薬には別のメリットがある。
だから間違いではないが、そのメリットを把握していない消去法による回答だ。
理屈無き回答、つまり途中式という根拠の無い回答は薬においては全くの無意味
よって0点。

理屈を理解せずとも、理由など無くとも、きっと薬の効果は変わらない。
だけど、そんなもんは結果オーライでしかない。
結果オーライを積み重ねるのは結構だが、そんなクズをプロとは誰も呼ばん。
だったら肝心の理屈とは何かを語ってやろうじゃないか。


サリチル酸兄弟の作用の主な働きは鎮痛、消炎だ。
だが、その効果ははっきり言って弱い。
これらを堂々と「痛み止め」と呼ぶのは憚られる程に。
それは痛みを誘発する物質そのものを遮断するインドメタシンやフェルビナクと違って、神経を弱い刺激で麻痺させることで痛みを感じなくさせる働き方をするためだ。
つまり、これらの湿布を貼っても痛みを感じさせる物質は変わらずドバドバ出ているのだ。
誤解を招くかもしれないが、歯が痛い時にほっぺたをつねって歯の痛みを紛らわせようとするやり方に似ている。
いくら紛らわせても痛みは感じるし、紛らわせることで誤魔化せる痛みには限度がある。
先ほども書いたとおり、単純に痛みを止める事を目的とする場合に第一選択肢とするものではないだろう。

もちろんメリットもある。
こいつらは血管を拡張し、血行促進する効果が確認されている。
前回の記事で触れた通り、血行促進は筋肉痛後期において大切なケアの一つだ。
「痛みはあんまり取れないけど、治りは少しだけ早くなる」
くらいの認識でいればほぼ間違いない。

そしてサリチル酸グリコールとサリチル酸メチルの違い。
サリチル酸グリコールには尿素と同じように角質を溶かす働きがある。
皮膚からの吸収率と鎮痛、消炎効果はどちらも同じなので、皮膚への影響という点においてはメチルに軍配が上がる。
にも関わらずグリコールが配合されるのは、グリコールにはメチル特有のシップくさいニオイが少ないためだ。
「肌が弱いならメチル、どーしてもニオイが気になるならグリコール」
という選び方でほぼ問題はないし、むしろ「アンメルツレディーナ」や「サロンパス・ハイ」のようにニオイが気になる人用にそういった商品として作られていることも多い。


一方のインドメタシンとフェルビナクは、バリバリの痛み止めだ。
飲むタイプの痛み止めと同じように、痛みと炎症の原因となる物質そのものをシャットアウトするはたらきを持つ。
この二つについては、例えば注射のように直接患部にブチ込む使い方をした場合はほぼ同じような働きを持つことが確認されている。
が、その実験は動物までで、直接人間に注射しての試験データが存在しない(○光製薬談)らしい。
イブプロフェン等のように服用することで体中にその成分を行き渡らせるのと違い、湿布薬は貼付した皮膚から直接患部に浸透させる方法なので、それ以上に踏み込んだ実験する意味が無いというのが理由だ。
「だったら動物実験のデータも必要無ぇじゃん・・・」
とか
「ホントは対人データも取ったけど残しちゃマズい結果だったんじゃないの?」
とか勘ぐっちゃだめだぞ!
絶対だぞ!
おいらじゃなく久○製薬からのお願いだ。

すっげぇ厳密な話をすると、インドメタシンとフェルビナクは働き方は同じだけど構造的な特徴がちょっと異なる。
それをさらに厳密に捉えて「痛みにはインドメタシンで炎症にはフェルビナク!!」(逆だっけ?)と言って譲らないヤツもいるけど、ぶっちゃけ誤差だ。
それより大切なのは、その湿布一枚にどれくらいのパーセンテージでこれら痛み止めが配合されているのかと、その吸収率
そして剤形、つまり薬の形だ。

まず剤形だけど、昔からある白いベトッとした膏体のいかにもシップなアイツがシップ剤。
シップ.jpg
続いて布っぽい外見のパッド剤。
パッド.jpg
こいつはシップ剤に比べて「はがれ難い」「ニオイが少ない」「かぶれ難い」「薄く貼りやすい」「薬剤の吸収効率かいい」という優等生で、近年シップ剤に代わって業界を席巻し始めている。
そして順番に液剤、クリーム剤、ゲル剤、チック剤。
液.gifクリーム.jpgゲル.jpgチック.jpg
ゲル剤は患部にマッサージよろしくすり込んで使う。
見慣れないかもしれないチック剤は、要はふっといリップクリームみたいなもんだと思ってくれ。
これら塗るタイプの薬剤は、主にシップやパッドでは貼り辛い場所や貼ると目立つ場所に使われる。
しかし、膏体を外界から遮断して常に皮膚に触れさせることができないため、たとえ同量の薬剤が配合されていても実際の効果はかなり落ちることが想像に難くない。
完全に断定しないのは実際にどれだけ吸収量が落ちるのかというデータが無いため。
しかしまぁ、ちょっと考えれば分かる話だし、明らかに不利になるデータしか出ないのが分かり切ってるのに、カネかけて製薬会社に実験やれってのも無茶な話だ。
「パッドはだいたいシップの上位互換」と「可能であれば塗るタイプより貼るタイプの方が効果は高い」と覚えておけばいい。

そして最後がスプレータイプ。
スプレー.jpg
見せ掛け以上に量が少なく、価格も高い。
しかも噴霧するという性質上、どの程度の薬剤が皮膚に付着し、そのうちどの程度の割合で吸収されるのかが全く不明だ。
当然ながらデータも無く、擁護できる要素が見当たらない
強いて言うならスポーツ選手気分を味わえる事くらいか。
だれかスプレー剤のメリット知ってる人がいたら教えてちょ。
湿布と目薬専門の久光○薬の人でさえ答えられなかったんだ。
あ、患部を冷やすってのは無しな。
商品に書かれている用法は4秒噴射が限度で、これじゃあ冷やせるのは薄皮一枚だけだ。


次に薬品の配合量だけど、この話に限っては多ければ多いほど良いって認識でいいよ。
もちろん配合量が5倍になれば効果も5倍!なんて単純な話じゃないけど、多ければ多いほど吸収量も増える。
もしこの先「これは配合量多すぎだろ・・・」という商品が出てきたら撤回するけど、現在おいらが確認している商品でそこまで高用量なのは見たことが無い。
現在の最大容量はフェルビナク、インドメタシン共に膏体100gに対して3.5mg
これがOTCで売れる最大容量なのかどうかは知らんけど、医療用だとまだまだずーっと上があるらしいし問題無い。

ちなみに祐徳薬品のデータだが、旧品であるパテックスFX(フェルビナク0.5%配合)と新商品のパテックスFX7(同3.5%)とのモニター試験をしたそうだ。
結果は「痛みが取れた」または「緩和した」との回答率がほぼ5倍に跳ね上がったとのこと。
(重ね重ね、有利なデータ「だけ」は残らず全弾発射するよなぁ・・・)
さっきも書いたように、7倍にして5倍になるんだから70倍にしたら50倍!とは行かないけど、ヒトの体がさばける薬品の濃度であるうちは効果も多少上がるはずだ。
特にこれらの痛み止めの副作用自体は重篤ではあるが、報告数はとても少ない。
比較的安心して使える薬剤であると言えるはずだ。

そして具体的な商品の比較。
おいらの認知しないメーカーも含めて、単に痛み止めが最大容量3.5%配合された商品は腐るほどあると思われる。
ざっと売り場のパッケージを見渡しただけで6種くらいあった。
ネットで流し読みした感じ、各社PB品含めると間違いなく両手じゃ数え切れん
だけど最大容量配合しちゃうと、それ以外の成分で商品の「色」を出し辛くなるというデメリットもある。
つまり、痛み止め以外の成分を配合しての差別化が計り難いという事だ。
幸いなことに(?)この記事では名前を出しまくった久光の「フェイタス3.5α」と祐徳の「パテックスFX7」が異なる特徴を持ってくれていた。
この二つをそれぞれの代表格として比較しよう。

二つの商品の成分上の違いは「メントールの配合量」のみ。
フェイタスはメントールを「成分」に分類し、3%配合している。
「成分」として表記するということは、一定以上の濃度で配合することで「医薬品的効果」を見込んでいるということ。
メントールの作用とは弱い鎮痛、消炎、冷感、血管拡張効果だ。
3%配合で具体的に人体でどの程度これらの効果が出るかのデータは無いが、そういう効果を見込んでいるし、その効果を謳えるという事になる。
もう一つこれは「フェイタス3.5α」に限定したメリットだが、この商品に使われているパッドは「モーラステープ」と同じものだ。
知らない人には縁の無い話だろうが、このモーラステープは医療用の湿布剤としてはかなりのシェアを誇っている。
その分、モーラスとは薬剤こそ異なるもののパッド自体の安全性と使用感は一歩抜きん出ていると言える。
実際に貼り比べてみた感想としても、競合他社の4製品と比べて一番剥がれ難かった・・・気がする。
まあ、剥がれ難さという数値化できない部分のお話だから話半分でステマとでも疑いながら聞き流してくれても良い。

一方でパテックスFXはメントールは含まれるものの「添加物」扱いになっている。
添加物にはどれだけ配合しているかを明記する義務はないが、0.5%以上は「成分」と見做されてしまうのでそれ以下なのは間違いない。
これはパテックスが商品的に劣っているのではなく、メントールを配合することで生じるデメリットを回避した結果だ。
デメリットとは即ち、メントールのニオイと冷感刺激のことで、サリチル兄弟の時と同じくこれらを気にする客層は決して少なくない。
こういった副音声を伝えるのは当然ながらメーカーの仕事だし、副音声を読み取れないだけで無能と断じてしまうにはちょっと難しいお話ではあるが
「興味が無い」薬売りは間違いなく無価値なので、どうか大いに恥じてくれ。


最後にちょっとモニョるお話。
インドメタシンやフェルビナクの入った薬で15歳以下の小児に適用のある商品は、実はかなり少ない
ここ数年になってインドメタシン製剤がちょっとずつ「11歳以上」の適用を増やしてはいるが、フェルビナク製剤に至ってはほぼ皆無だ。
そのラインナップも、軒並みインドメタシンが0.5%、最高でバンテリンの1%ぽっち、しかも塗り薬。
だけど、だ。
当たり前のことだけど、15歳未満のガキなんてスポーツ真っ盛りじゃねぇか。
11歳未満のガキだって捻挫すりゃあ痛いし成長痛だってある。
そういったヤツらが困って来店した時に、出せる薬にはロクなもんが無ェってのは一体どんな冗談だ!
実は医療用医薬品としてはこれらの成分の小児に対する安全性はほぼ確立されているそうだ。
だけどそのデータだけじゃ足りないんだな。
それを商品に反映するにはもうワンステップ『この商品』が安全であるという実験を踏まえなきゃならないらしい。
これ、場合によっては大切なストッパーだけど、場合によっては極めてナンセンスな決まりだよなぁ。
もうちょっと上手く立ち回れる規制にならんもんかね。
「診断はしちゃダメ!でも薬は売っておk」
なんて無茶振りを平然と要求するヤツらにそんな柔軟性求めても無理か。

だから15歳未満のガキに使ってやりてー親御さんは、どうしたら良いか、もう分かるな?
おいらは止めねーぜ。
勝手に客が商品を選んで持って行けるような矛盾した現行法が悪いんだ。
それが第一類医薬品でない限りは努力義務であり、薬屋なら誰もが認識してる立派な法の抜け穴、つまり合法だよ。
丸見えの穴をいつまでも放置してる無能のせいさ。
存分に「自己責任で」やってくれ。

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posted by 猫耳将軍 at 21:17| Comment(15) | TrackBack(0) | お薬もろもろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする