2012年09月26日

サラサラ血液などと安易に口にする馬鹿を信じるな。


延滞リクエスト第二弾!
今回のリクエストはHN:方向ウンチ氏より。

「飛行機に長時間乗ることが多いんだけど、肺血栓とかコエー。
バファリンって血栓溶かす作用あったよね
あれ飲んでも意味ないの?」


海外によく行くのに方向ウンチって致命的なんじゃねーのか?
などと余計な心配も沸いて来るんだけど、まあ置いといて。
まずは何を言ってるのか分からない人もいるだろうから説明しよう。

長時間座りっぱなし状態の人というのは血流が下半身で滞り、血の塊的なモノが血管内にできちゃうことがあるんだよな。
それがただ流れるだけなら良いんだけど、場合によってはその塊が血管の細いところに詰まって梗塞を起こすこともあるんだ。
特に危ないのが微細な血管がいっぱい通ってる臓器、つまり脳や肺、そして心臓
手や足で詰まっただけでも結構な事態なんだけど、こういった臓器の梗塞は即、死に繋がる超危険部位だ。
こういった症状はエコノミークラス症候群と呼ばれ、特に肺に梗塞が起きる場合が多いことから死亡率も高く、1977年の初報告からたった30年ほどで爆発的にその名前を広めていったんだな。
エコノミークラスでのみ起こるわけではないけど、発症率は座席が狭くて体の動きが制限されるエコノミークラスに特に多いことからこの名前が付いたそうだ。
長時間映画を観たり、寝たきりの人とかでも起きそうなもんだけどなぜかあまり起きないことから、ただ同じ体勢で圧迫するだけではなくて、気圧の高低差なども大きな原因にあっているようだね。

んで。
ウンチ氏はこの血栓が怖いから、どこかから血栓予防に低用量アスピリン療法が有効なんじゃね?と聞きかじったってぇワケなんだろうな。
結論からすると、エコノミークラス症候群に低用量アスピリンはあまり効果が無い
そこら辺の違いを少しだけ掘り下げてみよう。

エコノミークラス症候群よりさらになじみの薄いであろう低用量アスピリン療法とはなんぞや?
アスピリンってーのはあの頭痛薬とかによく入ってるアレのことだ。
ウンチ氏の言うとおり、アスピリンの入ってる市販薬で一番有名なのはバファリンだろう。
個人的にはアレを痛み止めの第一選択肢としてオススメする事はあまり無いのだけど、それはまあいい。
このアスピリン、解熱や鎮痛作用だけでなく血小板が集まって固まる作用を抑制する効果もある。
この抗血小板効果のみが欲しい場合は、痛み止めとして使用するよりも少ない量を長期的に投与する必要があるため、このようなアスピリンの使い方は特に低用量アスピリン療法と呼ばれている。

ただし、だ。
この低用量アスピリン療法というのは脳や心臓のような血流の速い部位での血栓に効果を発揮するものだ。
こういった流れが速く強い場所で起きる血栓の原因は、血の塊というよりは血管内にできた傷などによって血管の一部が狭くなってしまうことにある。
そこに、本来詰まるはずの無いくらいのカケラが詰まってしまうと脳梗塞や心筋梗塞となる。

対してエコノミークラス症候群による血栓は、特に血管に問題が無くても詰まってしまうほどの血栓が静脈にて作られてしまうことが原因だ。
血流がゆっくりで、しかも圧迫によって血流が滞ったために起きる血栓にはあまり効果が見られないという報告が既にいくつかあるようで
このような場合に対する血栓予防には、どちらかといえばワーファリンの方が正しいはずだ。
調べた限りだと、実際に長時間のフライトをせざるを得ない人に処方されている例も十分にあるようだ。
これらは薬屋で売れるシロモノではないので、まずはその旨を医者に相談してみてはどうだろうか。

ちなみに。
ワーファリンはビタミンKの働きを抑えるものであり、ビタミンKが豊富な納豆などを食ってしまうと意味が無くなることで有名だが
似たような効果で納豆を食っても問題のない薬もいっぱいある。
もちろんそれぞれ異なる副作用もあるので、そこらへんも含めて相談してみてくれ。

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安西先生・・・リクエストの内容がただの薬屋には荷が重いものばかりです・・・
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posted by 猫耳将軍 at 14:20| Comment(11) | TrackBack(0) | 病気 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月15日

大江戸ペニシリン騒動。


前回の記事を踏まえて、リクエスト延滞シリーズ第一弾。
いきましょか。

リクエストをくれたのはHN:ゆうゴリん氏
ふむふむ。
内容を要約すると、無人島に取り残された状態から人体に効果のあるペニシリンを精製することは可能か?
可能であるならどのような方法を取れば良いか?とのことでした。

まずね、この条件だと江戸時代にスッ飛ばされた外科医Jさんでもお手上げです。
どんだけ知識があろうとも、無から有は作れないよね。
無人島に飛ばされちゃったら食料と身の安全確保が精一杯でペニシリンなんて二の次どころか十の次くらいだ。
ということで先日、送ればせながら謝罪メールついでに条件の再設定をお願いしたところ、こんな条件をいただきやした。


要約:じゃあ一般家庭のキッチンにあるレベルのアイテムは使っていいからさっさと作れや


ま さ に 暴 君 。
だいたい薬理なんてさわり程度しか知らない薬屋にペニシリン作れとかその前提からしておかしいっすよ。
むかーし似たような遊びはやったことあるけど、理屈的におかしな謎汁ができても文句言わんでくれよ。


まずペニシリンってのはどんなモノか。
ペニシリンとは抗菌薬の一種で、その中でも菌を直接殺すのではなく菌の発育を阻害するはたらきを持つ。
発見のきっかけはフレミングさんの凡ミス。
本来は菌を培養させるための培地に青カビまで生やしちゃったんだけど
あれ?なんかカビが生えてるまわりだけ菌が避けて繁殖してね?
これ青カビが菌を殺してるんじゃね?
と。
正確には直接殺してたわけじゃないけど、とりあえず青カビを粉砕した溶液にも同じような効果が確認できたわけだ。

つまり!
ペニシリンが欲しいならみかんや餅から青カビ集めてミキサーかければとりあえずゲットできrうわすみません冗談です。


まずは元気な青カビを生やすところから。
青カビはデンプンが大好きなので、ジャガイモや片栗粉を煮詰めて放置。
うまく生えたら採取して、寒天培地で培養だ。
常温でしばらく密閉放置して、培地に青カビ以外が増殖しなければとりあえずは青カビゲットは成功。

ゲットするだけなら簡単なんだけど、ここからが難しい。
ただランダムに青カビをゲットしても、そいつがペニシリンを作ってくれなければ話にならない。
青カビにも個体差があり、菌を殺す能力に乏しい固体だって当然いるわけだが、ただ培養するだけではそんな違いは分からない。
そこで、培地内で菌を相手に実戦をしてもらう必要が出てくる。

ヒトの体に使う前提ならばスパーリング相手もヒトの体から採取するしかない。
フレミングはブドウ球菌の培地でペニシリンを発見したそうだ。
幸いブドウ球菌ならヒトの表皮にうじゃうじゃいる。
確実にゲットしたいなら化膿した傷口やニキビなどからゲットして同じように培養しよう。
十分に育ったら、あとはムシキングよろしく同じ培地に移植してバトルだ。
この時、ブドウ球菌を押しのける範囲(阻止円)が広いカビほどペニシリンの産生量の多い青カビと言える。

ペニシリン量の多い青カビがゲットできたら、今度は液体培地を用意する。
材料はじゃがいもと米のとぎ汁を混ぜたたものとかでいいんじゃね?
そこにカビをブチ込んでおけば青カビは一気に大増殖。
ただし、液体培地は他の菌が混入した時に取り返しがつかないから、青カビをブチ込む時は慎重にマッパになって正座でGoだ。

あとはそのカビを大量に培養して水と一緒にミキサーでドーン!
今思えばミキサーかける必要は別になかったんじゃね?とも思うけど、とりあえずドーン!
ペニシリンさえ溶かしてしまえば青カビ自体は用なしなんで、とりあえずペニシリン溶液だけ取り出そう。
コーヒーをドリップする方法で溶液をろ過し、ペニシリン溶液をゲット。

・・・簡単に書いたけど、ここまでの工程だけでも家の環境でやろうとしたらかなりの時間がかかると思うぞ。
高校の理科室というキッチンよりちょっと上の環境でもここまで来るのに数ヶ月かかった記憶がある。
特に意外なのは、実はブドウ球菌を押しのけるほどにペニシリンを産生するカビが少ない!
そしてカビもブドウ球菌もおいら達が想像するよりもずっとずっと弱い
おいお前、生えて欲しくないところには嫌がらせみたいにあっちこっち生えるくせに、何で培養しようとするとそんなに増えないんだよと絶対に一度は思うはずだ。


そんなこんなでやっとペニシリン溶液をゲットしたわけだけど。
ここまでだけなら中学校の理科が分かるヤツなら時間さえかければ独力で辿り着けるかもしれない。
しかし昔のエラい人たちでさえペニシリンの発見から実用化まで約10年のタイムラグを要しているのは、ここから先の確立に手間取ったからだ。

結論から言うと、このペニシリン溶液はこのままでは人体には使えない。
そもそもろ過しただけで細かい不純物満載の元カビ溶液in米とぎ汁を飲むこと自体が普通に考えて有り得ないので、当然ながら注射もアウト。
熱にも弱いため、煮詰めてペニシリン結晶を析出させることも不可能。
つまり、ここから先はろ過とも加熱蒸発法とも異なる方法で、どうにかしてペニシリンの純度を高める方法が必要になってくる訳だ。

昔のエロい人が10年間試行錯誤したであろう方法だが、おいらは答えを知っているのでエロい人に感謝しながら最短特急で行く。

この時点で少なくとも「ペニシリン水溶液」は出来ていることから、ペニシリンは水に溶ける性質がある事だけは確実だ。
だから次に使うのは植物油。
クセの無い植物油であればサラダ油でも菜種油でも何でもいい。
容器はペットボトルとかでいいので、その中でペニシリン水溶液とこの油を注いで十回シェイク!
その後しばらく安静を保つと、ペットボトルの中には「油に溶けやすい物質」と「水に溶けやすい物質」、そして「水にも油にも溶けない物質」に分かれるって寸法だ。
そして昔のエロい人によって、ペニシリンは油よりも水に溶けやすい物質だということが分かっている。
後はテキトーにペットボトルの底に穴でも開けて、水の部分だけを取り出してやればいい。

こうして取り出した水溶液を先の溶液と区別するため、仮に「溶液P」としよう。
溶液Pには水に溶けやすい物質と、「水にも油にも溶けず、ろ過もできない物質」が含まれている。
そこに今度は細かく砕いた木炭をブチ込み、しばらく(数日くらい?)待機。
こうして木炭にペニシリンもろもろを吸着させ、「木炭P」だけを取り出す。
さらに可能な限り蒸留した純水で木炭を洗浄すれば「水にも油にも溶けず、ろ過もできず木炭にも吸着されない不純物」を取り除くことができる。

化学的には比較的大きな不純物はここでやっと排除できたことになる。
ここから先は目に見えない性質の違いがある物質を取り除く作業だ。
木炭Pを酸性の水溶液で洗浄する。
ペニシリンは酸性なので酸性の水溶液には反応せず、吸着されているもののうちアルカリ性の物質だけが反応して木炭Pから飛び出す。
酸性の水溶液は先の行程で使用した蒸留水で薄めた酢などでいい。

最後に、この木炭Pをもう一度コーヒーのドリップのようにろ過する。
触媒として今度は水ではなくアルカリ性の水溶液を使用することで木炭の中に残ったペニシリンが反応し、ろ過液として高純度のペニシリン溶液が精製できるというわけだ。
家庭にあるものの中でこのアルカリ性水溶液に相応しいのは重曹あたりだろうか。

これだけの行程を経て、やっと「とりあえずは無害?で使える?かな?」くらいのペニシリン溶液の完成だ。
外科医J先生はこうしてできた溶液をストレートに梅毒患者に点滴していたけど、クソ度胸だよなぁ。
紙にしみ込ませてとりあえず外用してみるとか、化膿止めというよりは実際に人体に触れさせるステップを踏まないとちょっと怖いと考えるのはおいらが素人だからか。

ちなみにおいらは木炭Pを酸&アルカリ水で洗う工程あたりで挫折した。
今でも原因がよくわからんけど、洗う前の木炭P粉末には確かに抗菌作用はあったのに、最後に得られた液体にはなぜか抗菌作用が無かった。
酸またはアルカリが強すぎたか弱すぎたか、時間をかけすぎたのかはたまた温度が不適切だったのか、それともそれ以外の原因か。
考えられる失敗要素が多すぎて特定に至らなかったし、溶液Pを作る時点でカビをストックしておかなかったので再びアタリのカビ培養から始める気力と時間も無かった。
おうちでカビだのブドウ球菌だのを培養とか、細心の注意を払って密閉してても生理的になんかイヤなので、きっともう試す事もないだろう。

こうして完成した高濃度ペニシリン溶液だが、先にも書いたようにペニシリンはそのままだと熱に非常に弱い。
火など使わずとも、30度もあれば十分に失活するそうだ。
そこでコレ。
http://www.j-tokkyo.com/2002/C07D/JP2002-053582.shtml
特許があるってことはこれを真似したらダメってことなんだけどね。
見るだけね。
要は低級アルコール=エタノールをブチ込めばとりあえず結晶ができるよーということだ。
もう一度言うけど、マネしたらたぶん違法だからな!
たぶん薬事法的にも真っ黒だからな!
数ヶ月かけた綿密なうっかりでペニシリン溶液できちゃって、そこにうっかり転んでアルコールが入っちゃうくらいにしとくんだぞ!


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大政奉還の年を即座に思い出せる脳外科医ってそれだけでチート的存在じゃね?
おいらは勝海舟が具体的になにをやったヤツなのかすら漫画見るまでは思い出せんかったわwww

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posted by 猫耳将軍 at 13:43| Comment(6) | TrackBack(0) | お薬もろもろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月09日

フライング土下座三回転半ひねり!


いきなりですがごめんなさい。

つい先日まで、このブログ内に具体的にどう書いてあったかは覚えてないけど「ブログ主に直メする」みたいな項目があったかと思います。
seesaaブログのアカウントで登録されてるアドレスに自動で転送される私書箱的な機能だと思います。
公に公開されるコメントでは言いにくいメッセージをブログ主に直接伝えるためにあったものかとは思いますが
ワタクシこと猫耳将軍は、このブログを開設してから先日までの約1年半


  一度もそのメッセージを見ておりませんでしたァ!!

いやいやいやもうね。
以下軽ーく言い訳なんですけどね。
もちろんPCの生アドレスなんて怖くて使えたもんじゃねーのでyahooのフリーアドレスを使ってるんですがね。
複数のアドレス管理なんてめんどくせーので、オークションからメルマガから通販、ネトゲのアカウント登録に至るまで全て1つのメールアカウントで登録という暴挙をやらかしてるんですよ。
当然ながら、そのアカウントにはお得メッセージという名の有象無象のメールが100通/日くらいの頻度で流れ込んできてるわけですよ。
そうでなくとも登録にしか使わないものなんで、ログインして中身を見ることすら稀なわけですよ。

で、ブログ上で直メの項目を見つけてどういう意味か理解した瞬間、軽く血の気が引いたわけですよ。
それでも
「いやいやいやこんなクソブログの主にメッセージ送るキチガイなんていねーだろJKwwww」
なんて激しく現実逃避&激甘希望的観測しながらメールをサルベージしたらですね。


  検索結果 : 51件の該当がありました


お前らバカスwwwwwww
そのメッセージ、つい先日まで未開封でしたから!!

・・・・・・・・・・いやもうほんとすみません。

不幸中の幸いにして急を要すると思われる内容のものは無かったのですが、ブログのネタ依頼が3割ほど。
3割くらいがイタズラや間違いで、残りが反論と意見と応援、相互リンクのお誘い。
あと面白かったのは商品の宣伝依頼。
普通にアフィリエイト貼り付けて宣伝してくれーというものから、はっきりとは書かれてないけど明らかにステマ依頼臭いものもいくつか。
お返事できる方々については即日で謝罪を添えて返信させて頂きました。

ネタについてですが、どうやら猫耳を過大評価して頂いているようで、専門の設備や買うのにサインが必要な薬品が無ければ調べようもないようなのがチラホラ。
はっきりとぶっちゃけますが、試験管内で発火を伴うような実験はおうちではちょっと無理です。
試験管って内部からの衝撃と熱にはメチャ強く作られてるので、いくらぶ厚くてもそこらのコップじゃ代用できんのです。
もしかしたらできるかもしれませんが、リアルで危険なのはちょっと御免蒙ります。

それ以外のネタについては謹んで記事にさせて頂きます。
何かを批判してくれー系のネタは強い反発を生むことが予想できるので、隙を無くす作業が必要なぶん時間がかかるかと思います。
もともと筆の速いほうではない上に、気の向いた時にしか記事を書かないので数ヶ月〜1年くらいは見ておいてください。
とりあえず当面は手の付け易い当たり障りのないネタからになると思います。

あ、メールフォームはちょっと管理しきれそうに無いので削除しました。
でもこれだと何か法に触れるような記事を書いた時に警告されようが無いので、近いうちに復活させる予定です。
当面は何かありましたらコメント欄にて、よろしくお願いします。

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メール見なかったおいらもおいらだけど、相互リンク依頼しときながらOK出す前に勝手にリンクしてる奴って何なんだろう・・・。
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posted by 猫耳将軍 at 14:52| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする