2013年11月21日

ここで砂糖大さじ1杯と、太田胃散をひとつまみ。

健康診断が終わって結果も出ちゃうくらい放置していたけど、結果はどうだったかな?
今回はそんな中でも特に高血圧に引っかかっちゃった人には耳寄りなネタだ。

医者に高血圧と言われれば、多くの人が塩分摂取量を連想するだろう。
ナトリウムを過剰に体内に取り込むと血液の浸透圧が上昇するため、体はそれを下げるためには血液中に水分を足して薄めるという方法を取る。
血管と言うホースの太さは変わらないのに、その中に入っている血液の量だけが増えた格好だ。
当然ながら血管の特に構造的に薄い部分、つまり抹消の血管に大きな負荷をかけることとなり、パーンと破裂する場所によっては致命的なダメージを被ることとなる。
これは塩分による高血圧が体に齎す影響のほんの一例であり、他にも高コレステロール血症や肝、腎機能障害などなどなどと枚挙に遑がない。
塩は人間にとって最も身近な物質の一つであり、多くの人間の健康を損なってきた毒薬であるとも言える。

日本高血圧学会が2009年に定めた高血圧治療ガイドラインによると、日本人の塩分至適摂取量は一日6g
これは「塩分量」であって「ナトリウム量」ではない
繰り返す、「塩分量」であって「ナトリウム量」ではないのだ。
もしもこれから食べるモノの塩分量を知りたいのであれば、商品に記載された栄養成分表の「ナトリウム」の項目にある数字に2.5を乗算してやるといい。
http://www.nissinfoods.co.jp/product/p_2849.html
日清のカップヌードルなんかキリが良い数字なんじゃないかな。
ナトリウム量2g、つまり塩分量は5gだ。
カップヌードル1コ平らげただけでその日の残り塩分量はあと1g。
1gってーとあとその日食べられるのは6枚切り食パン2枚だけという笑えない計算結果になる。

・・・と。
健康を扱うブログ筆者の皆々様は口をそろえてこのよーな霞でも主食にしてんじゃねーか?と紛うような無茶を言ってのけるのでございましょーが。
「人は誰かを批判する時、いつもより少しだけ善人になる」の亜種だな。
当然ながらおいらはそんな仙人のよーな生活は送っていないし、とりあえず今んとこは送る予定も無い。
もちろん必要以上にガバガバ塩を食うよーなロック魂を持ち合わせているわけでもなければ、美味しく塩分を減らせるならそれこそ大歓迎だが、そんなスキルも面倒さに付き合うだけの心とお財布の余裕も無い大勢の一般人とそう変わりの無いポジションの人間だ。
そう、大多数のヤツは何も好き好んで塩分を摂取している訳では無いはずなんだ。
無理なく減らせる塩分があれば減らすことも吝かではないし、その分を美味いメシに宛がうことが可能なら喜んでそうするはずだ。

壮大な迂回脱線となったが、血圧の話はただの導入で、ここからが今回の本題だ。
この記事を読んでいるヤツの中に、高血圧でありながら、またはそうでなくとも、太田胃散を飲んでいるヤツはいないだろうか。
キャベジンコーワSは?
パンシロンGは?

これらの胃薬に共通するのは、飲むと胃が少しスーっとすること。
これは主に炭酸水素ナトリウムのはたらきによるもので、表向きは胃酸を中和させる目的で配合されている。
炭酸水素ナトリウム、つまり重曹は弱アルカリ性の性質をもち、これが塩酸である胃酸と中和反応を起こすことで吸熱反応を起こし、冷感を生じる。
要は胃酸に重曹を混ぜると物理的に冷たくなるからスーっとするのだ。
この時の中和反応を化学式で表すとこうなる。

NaHCO3 + HCl → NaCl + H2O + CO2

ン十年前の化学を少し覚えているヤツはこの謎の暗号の羅列を見て
「ほう、塩酸に重曹をブチ込むとNaClとH2OとCO2ができるんだな」
という事を読み取れるはずだ。
じゃあ、H2OとCO2は流石に誰でも分かるだろうが、NaClってなんぞや?
Naはナトリウムで、Clは塩素。
塩素ナトリウム?いやいや、Clは別名塩化物イオンとも呼ばれるので、正解は塩化ナトリウム、食塩だ。

つまりどーゆーことだってばよ?というと。

「オレは胃薬を飲んでいたと思ったらいつの間にか塩を食っていたんだ!何を言っているかわからないと思うがry」

というポルナレフもびっくりの摩訶不思議現象が起こってしまうのだ。
もちろん配合されている重曹の量が多いほど作られる食塩の量も多くなる。
では、それぞれの胃薬にどれだけの重曹が混ざっているかというと。

キャベジンコーワS・・・900mg
太田胃散・・・1530mg
パンシロンG・・・1950mg
   いずれも一日量

中和反応による塩化ナトリウムの重さを求めたい時は重曹の重さに0.7を乗算してやると良いので

キャベジンコーワS・・・900×0.7=630mg
太田胃散・・・1530×0.7=1071mg
パンシロンG・・・1950×0.7=1365mg


太田胃散で約1g、パンシロンGで実に1.3グラム、一日に摂取できる塩分量の実に1/5を胃薬だけで摂取してしまうことになる。
おいらのように好きなものを好きなだけ食べられるヤツにとっちゃ誤差だろうが、必死に食事制限をしてるヤツにとって1gあればどれだけメシが美味くなることか。
しかも、そこまでして配合されている重曹だが、胃薬として想定された効果はほぼ無いのだから目も当てられない。

確かに試験管内の反応は重曹が塩酸を中和して、胃全体の酸性度は下がることになる。
よってこの重曹は専ら制酸剤として配合されているワケだが、試験管と違って胃袋の中で起こる反応には続きがある。
ここまでシカトしてきたが、一緒に生まれる二酸化炭素。
重曹を強酸にブチ込んだ時に生まれる二酸化炭素は勢いが強く、まさに炭酸水のような状態になる。
このシュワシュワがクセモノで、胃壁を刺激し、活性化した胃はさらに胃酸を供給するという笑えない結果を生み出す。
刹那的に見れば確かに「制酸」と言えなくもないが、数時間スパンで見ればむしろヘタな消化酵素よりよっぽど胃液を増やす役目を担うこととなる。
しかも食物の胃内滞留時間は早いものだと2時間程度、特に消化に悪いものでもなければ3時間もあれば胃は通過する。
特に太田胃散は食後から食間、つまり胃に何も無い状態での服用も想定されているが何がしたいのだろうか。

「オレは胃酸を中和しようとry」

もはやポルナレフじゃなくても何を言っているのか分からない。
たまに俄かの聞きかじり知識で、重曹のみをスプーンでロクに計量もせずに飲んでる阿呆がいる。
何を治したいのか知らんが、早く病院で適切な治療を受けたほうがいい。
主に頭の。

さらに理解できないのが、消化を助けるための薬を標榜しながら名目上は制酸剤のこれら弱塩基成分を配合している胃薬。
本来の消化成分である胃酸を差し置いて自社謹製の消化酵素を配合するなど傲慢にも程がある。
おいらの知る限りで、消化酵素を配合していながら弱塩基成分を配合していない胃薬はパンシロンビオリズムしか無い。
尤も、他のパンシロンシリーズの配合を見る限りではそれを狙ってやったようには到底見えないが。


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無知が故に己を危険に晒すと言う意味では、素人の俄か養生なお幼児のままごとと大差無い。

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posted by 猫耳将軍 at 01:17| 北海道 ☔| Comment(17) | TrackBack(0) | お薬もろもろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする