2011年09月10日

とあるエセ科学の雑菌団子


ああ、薬事法のお話が恋しい。
最近は法なんて持ち出すまでもなくブラックなものだらけなのが実に嘆かわしい。

今回は約束どおり、最近のEMについてやっていくよー。

まずはこのページをソースとして提示。
http://dndi.jp/19-higa/higa_41.php

言うまでも無くこの一連の記事の文責は比嘉氏にあり、この文章は比嘉氏の発言と同義だ。
それを踏まえたうえで引用する。

本連載の、第25回EM技術の立脚点でも述べたように、EMは放射能のような有害な波動を触媒的に無害化するか、使えるエネルギーに転換する力を持っている。
>結論的なことを言えば、放射能がなくなるまで、EMをくり返し散布するだけである。
>しかも、ベラルーシの立ち入り制限地区でも10a当り50Lを年に5〜6回も散布すればセシウム137の大半は1年で消失するのである。


以下斜字体は全て引用。

ほうほう、素晴らしい。
しかし注目すべきは、少なくともこのページで比嘉氏の言っている話はどれも科学的ではないと言う事だ。
科学的な話というのは観察する者によって結果が変化しない、極めて客観的な検証を必要とする。
多くのエセ科学者が持論に有利な内容を公開する時は決まって、この客観性が皆無に等しい。
だからこの類のエセ科学者の論調はどれも似通ったものになるし、必然的に叩く切り口も似通ってきてしまう。
大概の客観性無し論は「それどこソースよ?」の一言で瓦解するものだけど
まれに「水の記憶」のように外見だけはそれらしきモノが用意されている事もあるので注意が必要だ。

さて本題。
比嘉氏はリンク先の記事にて明確に「EM菌には放射性物質を除去する効果がある」という主旨での論を展開している事が読み取れる。
ただその一言を主張するがためだけにこうも長々と「ベラルーシで〜」とか「ボランティアが〜」などの蛇足をくっつけ、自身の論の肉付けをしている訳だ。
ぶっちゃけ主旨を分かりにくくするくらいにしか意味のない贅肉なのだが、エセ科学者にとっては如何にして一般人に核心を掴ませず「なんかすげぇんだなー」と思わせるかの商売なので、そういう意味では彼は一流と言ってもいいのかもしれない。

じゃあ、核心を掴んでやろうじゃないか。
比嘉氏は「EM菌がどういう働きをもってして放射性物質を除去」すると言っているのか。
無駄に句点が多くアタマの出来の程度を伺わせる文章を引用しよう。

>また、光合成細菌は、エネルギーレベルの著しく高い放射線元素と特異的に結びつく力をもっていることも、明らかとなっている。
>このような背景を考えると、EMの中の光合成細菌が、放射性元素を先取りするため、作物には、吸収されないという解釈も成り立ち、
>また、光合成細菌が放射性元素のエネルギーを転換的に活用した結果、放射能が消えたとの推測も、あながち荒唐無稽の話ではない。


光合成細菌ってのは、文字通り光合成によって生み出したエネルギーを使って活動する細菌だな。
比嘉氏はこの光合成細菌が進んで放射性物質を取り込み、放射性物質が発する放射線を光合成に使って活動しているという主張をしている訳だ。
で、放射線は光合成細菌のエネルギーとして消費されるから平気なんだぜーと。
わーいバカだ、バカがいるぞー。

日焼け止めを紹介した回だったかな。
おいらは「紫外線は放射線(電磁波)に似ている」という主旨の発言をした気がする。
紫外線と放射線はその根源の性質は全く同じ空間を触媒とした「波」であり、違うのはその波長のみなので間違いではないはずだ。
しかしちょっと待て。
これが光合成細菌に食わせるとなると途端にブッ飛んだ話になる。

光合成細菌だろうが葉っぱだろうが、光をエネルギーに変換するのは「クロロフィル」という緑色のイカしたアイツだ。
92bba0b8c0991c3c7ff7443c68c4ff8c_400.jpg
いくらこのイカしたアニキだって、ノンケの光でも食っちまうような悪食ではない。
だいたいのアニキが最も効率よく食っちまえるのは750-850nm(ナノメートル)の波長の光と言われている。
対して放射線の中でも最も実害のあるガンマ線の波長は少なくとも10pm(ピコメートル)以下だ。
普通の人にとっては、ナノだのピコだの言われてもピンと来ないだろうから補足すると
ナノってのは10億分の1、ピコってのは1兆分の1って意味だ。
え?それでもピンと来ない?
じゃあ逆に考えればいい。
比嘉氏はアニキに普段食ってるモンより8万倍しょっぱいモノを食えとおっしゃっているようなものだ。
え?塩食えるんだから8万倍でも大丈夫っしょ?とな。

というより、そもそもこんな話よりずーーっとずーーっと前の段階でこの論は崩壊している。
クロロフィルの宿主(?)である細菌。
これにガンマ線を照射するという事は、それらの菌を殺菌するという事に近い。
他にあるとすれば、遺伝子異常を期待して無作為に突然変異種を作るくらいだが、この場合はすぐに死滅しないように波長を操作する。
つまり、放射性物質たっぷりの土地にEM菌を撒布するという事は、最終的にはその菌全てを殺すという行為に近いのだ。

しつこいようだけど、念のためもう一つ追撃。
一部の菌には自然状態でもセシウムを取り込むはたらきを持つヤツがいるそうだけど
セシウムを取り込んだからと言って、取り込まれたセシウムが放射能を失うという訳ではないぜ。
本当に生体内に取り込まれた放射性物質が放射能を失うなら、むしろそんな有り難い話は無いじゃないか。
これが事実ではないから吸引による蓄積が心配されているのだし、たかがチリのかかった食べ物にこれ程まで過敏になっているんじゃないか。
これが事実なら、むしろ政府はセシウム吸い上げたヒマワリの野菜炒めでも推奨するだろうさ。


以上で比嘉氏による「EM菌が放射性物質を除去する」という論の核心は崩れたはずだ。
もちろんおいらが否定するまでもなく、このような反証は既になされているはずであり
本来であれば核心が崩れた時点で論そのものが瓦解するものなのだが、どういう訳か比嘉氏は
「だって実際にセシウムの検出量が減ったんだもん!」という言い訳に終始し始める。
それも今度は真っ当な科学者の威を借りて。

ベラルーシの国立放射線生物学研究所の所長である、コノプリヤ教授
先に提示したソースも含め、比嘉氏の公演や原稿にはこの名前が非常によく出てくる。
ベラルーシはチェルノブイリ原発事故当時風下にあり、放射性物質による汚染が激しい地域だ。
現在も国を挙げて高度に汚染された地域の浄化が試みられており、その研究所の教授とは放射能研究における最前線と言える。
比嘉氏はそんなコノプリア教授と共同研究を行ったのを足がかりに、EM菌という単なる細菌群を放射能浄化に利用しようと傾倒し始めたと見られる。
では、当のコノプリア教授はEM菌についてどのような感想を持っているのか
真っ当な科学者が、本当にEM菌を比嘉氏が言うように手放しで絶賛していたのだろうか?
彼は「97EMフェスタ」という大会でこのように述べている。

ソース:http://www.em-festa.com/back_no/97/p11/p11.htmlより引用

C:チェルノブイリ原発事故をはじめ、原発事故の被害処理にEM-1を利用する可能性

>まず土壌から農作物への放射性核種の移行を防ぐ、つまり人間の内部被ばくをおさえるために、EM-1を土壌にまくこと。
>EM-1を土壌にまくことは、Cs(セシウム)137の植物への移行を促進します。
>そのさいに、小分量のEM−1を土壌に入れたときに、最大の効果があげられました。イネ科とマメ科植物の双方で、この法則性が見られます。


EMを土壌に撒布する事で、特定の植物がCs137(放射性セシウム)を取り込む反応が促進されるという結果が出た事は認めている。

>強調したいのは、Cs(セシウム)137とSr(ストロンチウム)90は半減期の長い放射性核種であって、放射能の状況を規定するものだということです。
>Sr90に対するEM-1の作用については、逆の依存関係があきらかになりました。
>EM-1の適用は、原則として、Sr90の土壌から植物への移行を低下させます。
>このプロセスには様々な要素が影響を与えますので、EM-1の効果はハッキリしていませんし、さらにこのメカニズムの解明が必要です。


EMとの関連性は不明としながらも、EMを撒布した土壌においてはセシウムとは逆に植物がストロンチウムを取り込む反応は抑制されるという結果を報告している。

EM-1の何がこうした効果につながっているのでしょうか?
>Csの大半が、今なお土壌の有機物質や無機物質と結合されているという事実は、よく知られています。
>EM-1を加えると、植物へ移行しやすい自由な形態のCsが増加し、結合形態にあるCsは減ってきます。
>このように、EM-1が放射能汚染された土壌にある核種におよぼす影響はさまざまです。
>核種は土壌から植物へ移行して、食物連鎖を通じて、人間の体に蓄積されて、内部被ばく線量を規定しますが、EM-1によってそのプロセスをコントロールできる可能性があります。


これらの反応にEMがどの程度関わっているかは不明と前置きしつつ、この反応に再現性があるのであれば
本来であれば滅多矢鱈と拡散し、蓄積汚染を招く放射性物質に「植物に吸収させる」という指向性を持たせ
放射性物質の道のようなものを作ってやれば、放射性物質の拡散をある程度コントロールできるかもしれないという内容だ。

実に科学者らしい総括ではないだろうか。
事実のみを材料とし、そこから客観的に得られた上澄みを濃くも薄くもせずに冷静に伝えるだけ。
これをやられるといくら心情的に批判したくても、できるのは「結果そのものが捏造」という言い掛かりくらいだ。

しかし彼による報告は以上の通り。
彼の報告は、EM菌によって植物が放射性物質を取り込む挙動に変化を来たすという事のみ。
菌が放射線をエネルギーにするだとか、大半の放射性物質が1年で消えるとか、そんな夢物語は一言も書かれていない。
それでも、一度本当に権威のある科学者にいじって貰えれば比嘉氏には十分なんだろう。
EMフェスタ'99ではこのように触れられている。


ソース:http://www.em-festa.com/back_no/99/e/e-001.htmlより引用

>チェルノブイリの風下にあったベラルーシの国立放射性生物学研究所の所長でありますDr.コノプリアさんが一昨年、
>ここで、放射能物質に対して免疫力を落とさず、植物がセシウムは吸うけれどもストロンチウムは吸わないという意味で放射能対策にEMはすごい…ということを言われたわけです。


そんな事は言っていない。事実の歪曲。

>私はそのとき「ストロンチウムもラジカルで、セシウムもラジカルなんですから、これはEMをたくさん使えば、ストロンチウムもセシウムも吸わなくなるはずだ」と言いました。

ここで言う「ラジカル」とは、対にならない電子を持つ不安定で反応を起こし易い物質の事だろう。
放射性セシウムもストロンチウムも、まあラジカルと言えない事も無い。
半減するのに約30年のセシウムやストロンチウムを「不安定」と言って良いものかは甚だ疑問ではあるけど
一応、化け学の範囲でだけ言うのであれば、まあラジカルだなぁと。

>それから、去年現場へ行って調べたときに、EMが撒かれたところだけが測定数字が低いんです。
>これは今までの常識では考えられない。でも私は、その場でコノプリアさんに言いました。
>「私の学者の勘によれば、放射能が減っている。セシウムも吸わなくなるであろう」と。


はい、比嘉氏は勘で科学を語る人間です。
そしてこの発言は99年のことであり、97年にコノプリヤ氏発表した内容に追従した形の「後出し」である可能性が高い。
『予言はいつの時も過去形で行われる』とはまさにこの事で、後からならいくらでも「こう言っていた!」と付け足せる。

>それと同時に、今度は「放射能は減ったか」と、私は7月に彼に質問しました。
>彼は、明確には言わずに「あなたが言ったとおりです」と答えました。
>「じゃあ、どれだけ減ったんですか?」と聞くと、「15パーセント」と言ったんです。
>私は、去年から「15パーセントぐらい減っている」ということを申し上げております。


主語と述語が曖昧な文章には要注意だ。
意図的なのだろうが、『何の放射能が』『いつの時点に比べて』15%減っているのかが明らかにされていない。
土壌の?それとも作物の?
仮に主語が「土壌」であれば土壌から放射性物質が失われた事となるが、質量保存の法則に則ると、その放射性物質は「消えた」のではなく
風雨によって計測区域から流出したか、前年より多く植物中に吸収、移行したという事になり
これは「ストロンチウムもセシウムもラジカルだからEMをたくさん使えば吸わなくなるはずだ」という比嘉氏自身の予測と矛盾する。

逆に「作物中」の放射能であれば、これは97年のコノプリヤ氏の発表からさらに撒布EM菌量を増強させることでCs137の植物中への移行が前年に比べて抑制された事が予想される。
これはコノプリヤ氏の97年時点の報告とは矛盾しない結果だが、やはり上で引用した比嘉氏の発言とは矛盾する。

そしてこれ以降、現在に至るまでコノプリヤ氏は様々な論文や発表会での発表をしているようだが
確認できている範囲では「EM菌を散布する事によって植物が放射性物質を吸収する能力が高まる」という内容の発表は一切されていない
もしそんな事実が確認できれば、少なくとも「ファイトレメディエーション」の分野においてとてつもない発見であるのにも関わらず、だ。
福島においてもヒマワリを植える事でセシウムを回収しようという動きがあったようだし
しょっぱい葉野菜ソルティーナを植える事で、津波によって大量に撒き散らされた塩を回収しようとしているのもまさにこれだ。
科学に疎いド素人でもちょっと頭を捻れば浮かぶだろうアイデアであり、放射能研究者のコノプリヤ氏がファイトレメディエーションを知らないとは極めて考え難い。

せめて比嘉氏が放射線について理解が浅いなりにも科学的な考え方ができる人間であるならば、ここまでの矛盾は起こらなかっただろう。
真っ当な科学者の尻馬に乗ろうとしたけど乗り方が分かりませんでしたーという状態がありありと見えてて実に哀れだ。
とはいえ、比嘉氏以上に科学を知らない馬鹿を理解したように錯覚させるにはこれで十分なのだが。

そしてコノプリヤ氏の発表を悪用する事を覚えた比嘉氏の暴走は、これ以降さらにエスカレートを始める。

ソース:http://www.emro.co.jp/interim/data/2000/c14/higa.html=EMフェスタ2000より引用

>いまのサイエンスと、その向こうの見えない世界の現象というのは、全くベクトルが逆で、これまでの方法論では証明が無理だと分かったので、事例をたくさん集めながら、研究しているうちに、波動の向きが二つあることが分りました。
>一つはものが壊れて、汚染を出していく波動、これは電磁波とか放射能などの悪い波動です。
>それからこれとは逆に、電磁波などのひどいエネルギーを転換しながら有用な状態に変えていき、生体の持っている組織、またはこの物質が自分の形状を保つエネルギーを維持していく波動という二つがあるのです。
>いまの物理学では、この波動に関することは無視されており、物質を物質として位置づけているこのエネルギーについて全く触れられていません。
>しかしこれは重力波の概念の理論でいきますと、重力波が存在しているからこそ、物体はちゃんと形を整えているといえます。
>これを維持するエネルギーがその物体のなかにあることを、最近認識し始めてきています。


波動さんちーーっす。
重力波さんちゃーーっす。
これでグレーからクロ確定
しかもさんざん科学の威を借りておきながらEMは科学の範疇から逸脱した存在であると自分で言っちゃう有様。
重力波の概念だなんて語ってるけど、津波に津波をぶつけたら相殺できるとか言っちゃいそうなくらい波の概念さえ理解していない事は明白だ。
皆も気を付けろよ、大人になって中二病こじらせるとこんな風になっちまうからな。
自分が理解できないわけわからん言葉を使いたくて仕方ないんだ。
そのくせ、自分以上にそのわけわからん言葉を理解している人間はいないと勘違いしている
そうじゃなかったら自分しか見ないチラシの裏以外でこんな痛い発言なんてできねーってww


さらにこじらせるとこうなる。
ソース:http://www.emro.co.jp/interim/data/_expo03/HIGA/index.html=EM-EXPO2003より引用

>この生命の最少単位である微生物が、光合成細菌がベースになり、蘇生的なしくみに変える。
>これが基本です。そうすればどんな汚染も、豊かな材料になる。
>どんな汚染でもと言うと「じゃあ放射能はどうなんだ」と言われます。
>私はベラルーシ、ウクライナでその実験をずっとやってきました。
>放射能が多少残ってる所は生育も収量もいいし、味も良いのですよ。
>EMをしっかりやっておくと、放射能を吸わないんです。これは物理学者、誰も絶対信じません。
>でも私がやったのではなく、その国の化学アカデミーの研究機関がやっている。
>ようするに放射能と言えどもEMにかかったら最後、土の中の太陽に変わってしまうのです。土の中のエネルギー。
>ですから世界のどんなひどい状態でも対応できるのです。


放射能の使い方ちげぇよ、言葉はきっちり選んで使え。
放射能は放射線を発する「能力」なんだから、植物が吸収すんのは放射性物質だろタコ助が。
で?いつの間にEMが放射性物質を「吸わない」なんて話になってんだよ。
99年にテメー自身が言ってた事だ。
コノプリヤ氏はセシウム137はEMを増やせばむしろ増加すると言ってたんだぜ。
そして後にコノプリヤ氏が言ったとする「15%減発言」はソース無しのてめぇの捏造だろクソジジイ
有り得ない話だが、それが事実だったとしてもたかが15%減で「吸わない」なんて表現使うんじゃねえよ。
しかもその収穫物の「味が良い」だ?
てめぇベラルーシの特に汚染の酷い地域で収穫した農作物を誰に食わせて実験しやがったんだ。


ソース:http://www.emro.co.jp/interim/data/2003/HIGA/index.htm=EMフェスタ2003から引用

>研究を進める内に、非イオン化作用までは分かったんですが、なぜ放射能や電磁波など、いろんな有害な波動がたちどころに無害かするのか。
>無害かするどころか、そういうマイナスのあった所ほど効果が高いのです。


ついに「たちどころに無害化」まで来ましたよ。
たった数年の間に人類の科学も随分と発展したもんです。
あ、科学じゃないんでしたよね、サーセン。


このような感じでどんどん増長を続ける比嘉ワールド。
そして福島原発事故後の発言が、一番最初に提示したソースに帰結するんだな。

ソース:http://dndi.jp/19-higa/higa_41.phpより引用

>EMは放射能のような有害な波動を触媒的に無害化するか、使えるエネルギーに転換する力を持っている。
>結論的なことを言えば、放射能がなくなるまで、EMをくり返し散布するだけである。
>しかも、ベラルーシの立ち入り制限地区でも10a当り50Lを年に5〜6回も散布すればセシウム137の大半は1年で消失するのである。


「一年で」と区切ってしまった時点でもう言い逃れはできない。
これは明らかに嘘だ。
セシウム137は消失していないし、質量保存則を超えて消失するはずもない。
放射線は無害化されていないし、光合成細菌は放射線をエネルギー化なんてしない。

うそ、ウソ、嘘だらけ。


きっかけは、コノプリヤ氏の科学的な一言だったはずだ。

「EMを散布した土壌で生育した植物はセシウム137を通常より多く吸収する」
(しかし同程度の半減期を持つ放射性物質であるストロンチウム90の吸収はむしろ阻害された)


これを真性の白痴、または悪意ある人間=比嘉が聞くと

「いや、私の勘ではセシウム137は吸収されなくなるはずだ」

「セシウム137を吸収しないんだから、収穫された作物は安全だ」

「EM菌は放射線を光と同じようにエネルギーに変換するはずだから、セシウム137は消費され消失するはずだ」


というブッ飛んだ理論展開に至るのだ。
この展開方法を一度読んだだけでは理解できずに二度見したアンタはきっと正常な人間だ。
むしろ一発で理解できたヤツはすぐに病院に行く事を薦める。
「多く吸収するデータ」を無視し、勘を理由に正反対の内容として解釈するんだから、常人に理解できるはずがない。

そもそも、生物が手を加えて何らかの反応を起こせるのは分子、原子レベルまでの話だ。
原子の繋がりをあれやこれやと組み替えてエネルギーを生み出す生産方法。
それ以上の極小表現が如何なる宗教の聖典にも表れていない以上、それが神の限界と言い換えても良い。
そして現在問題になっているのは、その原子を形作るさらにミクロ単位である核子の話だ。
分子原子の繋がりまでしか手を出せない生体反応の出る幕じゃねぇんだよ。


「消失」しない以上、放射性物質は安定するまで地球上から消える事は無い。
比嘉氏はそんな放射性物質がたとえ見かけ上であっても「消えたように見える」という事がどれ程大きな問題なのか考えた事も無いに違いない。
絶対に消えないものが消えたように見えるのなら、それは観測地点から見えなくなっただけだ。
その観測地点が「地球」であれば良かったんだけど、実際にはせいぜい数十アールの畑、それも地表数センチぽっちの話だ。
小せぇ小せぇ。
放射性セシウムなんざ放っといても自然に消えてくもんなのを忘れてるだろ。
風雨で流れた分は?
ごく自然にベータ崩壊によってバリウムに壊変した分は?
健康詐欺師はこぞって自然回復力を無視するけど、まさかEM馬鹿にも当て嵌まるとは思わなんだ。

本来なら風雨やベータ崩壊によりゆるやかに拡散、壊変するはずだった放射性物質。
それがEM菌を大量に散布することで、自然には見られなかった動きをする事はきっと事実なのだろうが
自然には見られない急速な反応を起こす事を「自然」と言って歓迎する阿呆の愚については言うまでもない。
そして自分の目から見えない場所に丸無げしただけで「危機は去った」と抜かす阿呆には吐き気すら覚える。
国が開示する情報が信用できないという心情は理解できるが
だからと言って胡散臭いおっさんの理屈が信用できるっつー話にはならんだろうが。
指向性を持った放射性物質が、ちっちぇえ観測地点を離れて、いったいドコに異常濃度のホットスポットを形成しているのか、続報が実に楽しみじゃないか。
比嘉がそんなテメェの儲けを潰す情報を開示するとは思えないんだが、そんなクソジジイとの心中に、日本の土地を使うなよ。

3つに分けてもいいくらいに記事が長くなってしまった。
本当は比嘉の数々のアホ発言も取り上げたかったのだけど。
まあそんなのはリンク先を3行くらい読めばボロボロ出てくるからいいか。

最後に、少なくともここを読んだ方々はくれぐれも雑菌とゴミをそこらにバラ撒く愚行は犯しませんよう。

福島県の見解 EM菌は河川の汚濁原因
http://www.minyu-net.com/news/news/0308/news3.html
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菊池誠氏より 「EMには効果があるかないか」以前にそもそも「ゴミを勝手に投げ込むな」という話なのだと思います。効果の検証がなされてはじめてゴミではなくなるわけで、「検証もせずに、まず投げ込んでみる」というのは非常に乱暴な考えかたです
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posted by 猫耳将軍 at 21:20| Comment(10) | TrackBack(0) | エセ科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
クロロフィルの人選もうちょい何とかならなかったんですかwww
Posted by 八咫烏 at 2011年09月11日 18:26
いつもながらタイトルが秀逸w
どうして植物を丈夫にする効果だけで我慢できないんですかね
そこを強みに発展させれば、環境を変えてしまうデメリットもいつか改善できるかもしれないのに
Posted by 匿名希望たなか at 2011年09月12日 14:42
リンク先見てみました
ゲーム脳の人と似たような臭いがしました
提唱する人がこんなのだったらやっぱり信用はできませんよね・・・

Posted by マユボウ at 2011年09月13日 11:47
ひちょり噴いたw不意討ちずるいww
ビタミンのサプリメントについての記事とかは載せる予定とかはあいんですか?
どのビタミンがどんな効果がとかって需要あると思うんですけど
Posted by †SEFIROSU† at 2011年09月13日 16:19
>>八咫烏
何かクロロフィル的な画像を探していたら偶然彼が出てきました。
ええ、ビビッと来ましたね。
運命ってやつです。
もう彼以上の適任は考えられませんでした。
Posted by 猫耳将軍 at 2011年09月15日 16:46
>>匿名希望たなか氏
おいらもそう思います。
最終的な目標を「放射性物質または放射能の除去」と定めるだけなら良かったのですが
植物の成長を促す⇒放射性物質除去と行くにははいろいろ段階をスッ飛ばしすぎです。
ゆっくり熟成させれば素晴らしい結果を生んだかもしれないだけに、本当に勿体無い。
Posted by 猫耳将軍 at 2011年09月15日 16:51
>>マユボウ氏
そりゃ似てますよ。
唱える説が異なるだけで、やってる事は全く同じですもん。
Posted by 猫耳将軍 at 2011年09月15日 16:52
>>†SEFIROSU†氏
新庄と共にファイターズを北海道に定着させたひちょりのマネジメント能力は侮れませんぜ。
・・・ただおふざけ好きなだけの可能性も否定できませんが。

ビタミンの件、確かにビタミンを個別に説明すれば人は来るかもしれませんね。
実際にそれをやっているブログも結構見られます。
ですが、そんなのはヤブか詐欺師がやって素人を騙していれば良い事であって、一応まともなブログを自負しているおいらのブログでやるべき話でないと思っています。

例えば、ビタミンCガブ飲みしてもカゼは良くなりません。
ビタミンBだけ摂ってもお肌は荒れたままです。
軽い貧血だから鉄剤を摂った結果、日常生活に支障を来たすくらいの貧血に悪化する事もあります。
疲れたからって疲れに効くと言われるビタミンEを摂取しまくったら余計に疲れます。
どれも雑多に蔓延る健康マニア気取りの三流ブログで書かれている事とは真逆の事でしょうが、事実です。
ビタミンは体内の酵素やホルモン、他の食物と合わせて初めて何らかのアクションを起こすものであり、その相手次第で働き方は全く異なるものです。
まともにお薬を考える人ほど、軽々しく単品でのビタミンを論じる事は避ける傾向が強い事は、いくつかブログを回って頂ければお分かりになるかと思います。

ネタとしてのビタミンは身近でキャッチーだから、読者もこれな分かると勘違いして食いついてくるだろうけどね。
素人どころかおいらの同業者でもちゃんと理解してるヤツはきっと1割もいないよ。
Posted by 猫耳将軍 at 2011年09月15日 17:20
はじめまして、うちにもくるんです、とりつかれてます沖縄EMのやばいのに;;わたくしも勉強と性格な情報リテラシーのためにいろんなかたのご意見をみさせていただくうちにこちらのヒットしたご縁なんですけど、マジにたち悪いですアレ
Posted by にきいた at 2012年04月22日 01:45
>>にきいた氏
自然に存在するものは無条件で善という幻想をぶち殺さないことには、なかなか難しい相手ではありますね。
リンク先、チラッとしか見てませんが興味深い。
時間のあるときにじっくり読ませて頂きます。
Posted by 猫耳将軍 at 2012年04月26日 09:57
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