2011年11月25日

そもそも痛みに磁気って適用外・・・!!


今回の異動に伴い、おいらの勤務体制が変わった。
2店舗をそれぞれのお店の担当が休みの日に受け持つ事になったのだけど、問題なのはその2店間の距離だ。
その距離80キロ強。ふざけんな。
今はまだしも、これから本格的に冬になってくるとそこは北海道だ。当然ながら吹雪く、路面が凍る。
そしてこの道東地区、鹿がクソ多いらしい。それも何かいい具合に育っちゃって猛々しい感じのデカいやつ。
一回かなり近い位置で遭遇したけど何か眼に北斗の拳の登場人物みたいな哀愁が漂っちゃってるの。
14pht02.jpg
ヤツがおいらの非力な軽自動車とブチ当たれば、間違いなく刺し違えられるだろう。
今朝のニュースでは道東地方で15万頭の鹿の駆除を目指すとか言っちゃってるから、まあ最低でも15万はいるんだろう。
一方で道東最大の都市である根室市の住民は約3万。
たぶん道東全部のニンゲンひっくるめても鹿の方が多いとかシャレにならんわ。

そんな天外魔境を勤務のたびに往復とかやってらんないので、できるだけ移動が少なくなるようにローテーションを組むのだけど、その時はホテルに泊まる事になる。
このホテル生活がおいらの腰と背中を直撃した事が今回の記事に繋がる訳だ。

どうやらおいらとベッドというモノとの相性は最悪のようで、そこに慣れない枕が加わったもんだから腰に違和感を抱える事になった。
二日目の朝、養命酒12本ケースを抱える時にわずかにピキッとした痛みとも言えない程度の電流のようなものが走る。
まあこの程度であればよくある事だし、その後は特に何事も無く一日の業務を終える。
三日目の朝、目覚めた瞬間からビシッと脊髄を走る電流のようなモノ。痛い。
ベッドから起き上がる、痛い。
靴下を履く、痛い。
歯を磨くために中腰になる、痛い。
なんぞ?なんぞこれ!?

いや、明らかに腰痛なんですけどね。
普段腰痛とは縁が無いから、朝イチから痛みが走ると動揺するのね。
とりあえず出勤してソッコーでフェイタスのサンプルを5枚くらいベタ貼りして様子を見る。
ちなみにフェイタスは一度に貼るのは2枚までだからな。良い子は真似すんなよ。
案の定腰には効きが悪いみたいで、18時くらいにやっと痛みが引く。
ぶっちゃけ薬の効果なのか自然回復なのか判断に困る。
ちなみにちなみに湿布を8時間貼りっぱなしとか有り得ないからな。前日に貼って一晩過ごしたらかぶれてたとか、完ッ全に自己責任だからな。
ここからが本題。
ロボットみてーな動きをしているおいらに、その店の人がこう言って来たんだ。

「そんなに痛いならフェイタスよりエレキバン貼ればいいのにー」

おいちょっと待てテメェ、何だそれはと。
まるでエレキバンがフェイタスより上位の存在みたいじゃねーか。
いや、「まるで」じゃなくて、その担当は本当にそう思っているのだろうな。
実際にお客さんの中にもエレキバンに限らず、ネックレスだとかの磁気治療器具を信仰している人間はかなり多い。
それと反比例して、一体全体「磁気」というものがどのように身体に働きかけてコリに効くのかという、一応の理屈を知っている人間は驚くほどに少ないはずだ。
誰もそこに興味を持たないからこそ、磁気治療器具ごときが今もなお商品として存在できると言い換えてもいい。
じゃあ、知って貰おうじゃねぇか。

現在ではネックレス、ブレスレット、絆創膏、下着、靴下と様々な商品が発売されてるけど、原理は全部同じなので、ここからはまとめて「エレキバン」と表記する。
まずはメーカー側の言い分だ。

・強力な磁力線が血管内のヘモグロビン鉄に働きかけて血流を促すことで肩こりが改善される。
・磁力が血液中のイオンを増やし、イオンが神経に働きかけることでマッサージ効果が発生する。


このように、磁力線そのものが身体の中でも主に血液に影響を与えることで血流を改善しコリをほぐす、というのが一応の理屈だ。
当然ながら、これらの説は本当に正しいのか?という所に疑問が残るだろう。
まして「イオン」等という詐欺師御用達の単語が出てきたのだからその怪しさも倍増するというものだ。

現在発売されているエレキバンシリーズだと80〜190ミリテスラ(800〜1900ガウス)のものがある。
「テスラ」(ガウス)というのが磁石の強さの単位であり、この数値が大きいほどくっつく力の強い磁石だと思ってくれて大体間違いない。
もしも磁力線がその物理的な力をもってして体に影響を与えるなら、この数値が大きいほど体に与える影響も大きくなるだろうと(とりあえず)考える事に問題は無いだろう。
では、この190・・・・中途半端だからオマケして200ミリテスラ(2000ガウス)でせいぜい直径1センチ足らずの磁石が体にどんだけの影響を与えるのだろうか。

まずは磁石が血液に直接与える物理的な影響。
皆無。もしあったとしても不可知範囲内。
確かに赤血球を構成する材料の中には「鉄」が存在する事は有名だろう。
しかしこれは厳密にはヘム鉄(ヘモグロビン鉄?)というものであり、立派な化合物だ。
Fe原子が集まって金属結合している「鉄」であれば磁力の影響を受けるが、Fe以外の化合物であればその限りではない。
分かりやすい例を出すとFeの集合体である鉄クギは磁石にくっつくけど、そこに酸素が混ざって錆びた鉄クギは磁石に反応しない
硫化だろうが水酸化だろうが化合した鉄は粗方強磁性を失うって事だ。
ちなみにヘム鉄の構造はこんな感じ↓↓

ヘム.png

当然ながら磁石にはなーんの反応も示さないぜ。
カネと時間が余ってるヤツはサプリでヘム鉄とか普通に売ってるから磁石でくっつくか試してみれば良い。
実際においらは3年くらい前にその道を通った。
ガラス板の上に針で血を出して2センチあけてエレキバンの180ミリテスラを置き、翌日まで放置したけど血が凝固してた以外は変化なし。
磁石に纏わりついてたらカッコ良かったのに。残念。
サプリのヘム鉄と磁石で良かったじゃんと気付いたのはその二日後。
思考実験で済む事をやってみないと気が済まないのはバカの証だ。

でも、この実験で血液が磁石にくっつかなくて良かったと思うぜ。
もし血液がこの程度のショボい磁石にくっつく程の強磁性を持っていたなら、エレキバンは殺人にも使える事になる。
考えてもみろ、肩にエレキバン貼ってそれが血液に影響を与えるのなら、血液は肩の部分で滞っているという事になる。
それが弱い影響であれば肩こりとして現れるし、強い影響であれば血栓や梗塞の原因になる。
だが、実際にはエレキバンのその「効果の無さ」ゆえにそれらの悪影響が出ずに済んでいるという事だ。


そして2つ目の言い分であるイオン。
この単語が出た時点でエセ科学だと切り捨てても何の問題もねー訳だけど、とりあえずやるか。
なになに?磁力が血液中のイオンを増やす?
バカじゃねーのwwwwww
そりゃ確かに強力な磁気を物質に当てれば、モノによっては結合力を上回って僅かにイオン化する物質もある。
だけど、それをヒトの体に応用するためには三つの大きな問題がある。

一つ目、例えば状態変化の容易な水(H2O)でさえ、イオン化するためには数十テスラの磁力を要する
注意!単位は「テスラ」だぞ。
エレキバンの単位は「ミリテスラ」だ。
水をイオン化するのでさえエレキバンの百倍の磁力が必要であり、これは永久磁石では発生し得ず、超伝導磁石が必要になる。

これはまだ弱い方。
それなりの大きさのものがくっついたのを剥がすためには重機が必要になる。
もちろん超危険物。
コレ握って鉄の近くに寄ったら挟まれて骨が粉砕するぞ。

核分裂のところで触れたことだけど、物質というものは安定したいという力常にを持ったモノだ。
イオンを作るという事は、安定しているけどその安定するの力以上の力を加えて物質の一片を剥ぎ取るという事。
そして、安定から遠ざかっている物質ほど安定しようとする力は強い。
つまり、ある物質からイオンを1コ剥がし取ったとして、その1コ足りない物質からさらに1コ剥がすためには同じ力では不可能という事だな。
これが何を意味するのかってーのが二つ目。
とんでもない労力を割いて超伝導エレキバンを商品化したところで、得られるイオンはごくごくごく微量、無視できる量だ。

そして最後の三つ目。
イオンが神経に働きかける要素など一切無い。
これは還元水の所で触れた事だ。
安定から最もかけ離れた欠片であるイオンがそう都合良く神経まで辿り付けるもんかい。
神経まで辿り付いたとしても神経に何の影響があんの?
一日単位で見るなら人体はそりゃもう日常的に自然発生したイオンに晒されまくっている訳だけど。
物質にすらなり切れてないカケラが何万とブチ当たったところで、それを「マッサージ」と呼ぶには余りに微々たる力じゃないか。
扇風機の風にでも当たった方がいくらかマシだぞ。

でも一番気に入らねぇのはこんなゴミを医療機器として認可する権限を持ち、実際に薬事法において認可している厚生労働省だ。
今回紹介したような話を裏付ける実験結果なんざ腐るほど出てるっつーのに、現行の規定に満足してるのか見直す機会すら取っていない。
ピップはピップで実験をやってみる事は公表しゃがったけど、肝心の実験結果を一切公表しやがらねぇ
結果は公表しない!でも有効である結果は出ている!信用してエレキバン買ってね!ってなもんだ。
ピップなんてそれをまるっと信用できるほどキレイな企業じゃねーだろ。

一応、核磁気共鳴の分野で億が一にも肯定できる可能性がある以上、この場で全否定するのは避けておく。
そっちにしてもミリテスラの範囲じゃあ話になんねー上に、ピップも厚生労働省もそんな高尚な話なんざ理解できてないけどな。
もし理解できてたら磁力の強さはともかく、あんな形状の磁石で商品化はしねーよ。

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核磁気共鳴の応用についてはこちら。
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posted by 猫耳将軍 at 17:20| Comment(16) | TrackBack(0) | エセ科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
シカ哀愁漂い過ぎだろwww
それにしても磁石が体に良いとかって疑う事すら無い当然のことになってました
何にでも無差別に疑うのはただの変人だし、でもそうでもしなければ当たり前になってしまってる事に対して疑いなんか持てないし
こんなのは嘘っぽいよ〜って感じの特徴とかってあるんですかね?
Posted by 匿名希望たなか at 2011年11月27日 17:00
私の企業で言うフリーランサーといったところでしょうか。
もし、そうであれば、80km以上の移動という壮絶さが理解できます。
昨年まで私もそうでしたが、私の場合の40kmそこそこでさえ結構堪えるものがありました。
どのくらいフリーランサー生活が続くか存じませんが、お体に気を付けて頑張って下さい。
Posted by なたまめ at 2011年11月29日 12:08
>>匿名希望たなか氏
ほんとこんな感じだったんだって!
しかも背中からオーラ的な湯気とか出ちゃってたし。

おいらも疑ってかかる契機は割りと当てずっぽうです。
ただし、薬や体の知識が深ければ深いほど「そんなワケないじゃん?」「え?それっておかしくね?」という漠然とした疑問を感じる精度は高くなると思います。
Posted by 猫耳将軍 at 2011年12月03日 12:46
>>なたまめ氏
おー、まさにそのフリーランサーです。
面倒くせーです。
案外、なたまめ氏と同じ系列のお店かもしれないですねww
Posted by 猫耳将軍 at 2011年12月03日 12:47
子供のころから何となく抱えていた疑問が解決しました。そうですよね、磁石がコリに効くとかよく考えれば常識的におかしいですよね。
私たちが日常的に携行しているスマホや携帯電話にはエレキバンよりずっと大きくてずっと強力な磁石が内蔵されているんですから、エレキバンがコリをほぐすならば現代人はみなコリ知らずのはずですよね。
Posted by しょうたろ at 2012年11月30日 15:34
>>しょうたろ氏

>常識的におかしい
この考え方が大切です。
ピップはこのあたりまえの事を「磁石は凝りに効く」というおかしな常識に塗り替えてしまいました。
ちょっと考えればこんなにもおかしな理屈なのに、それを常識と信じ込ませてしまえばここまで大儲けできる。
人はそれを洗脳と呼びます。
Posted by 猫耳将軍 at 2012年12月05日 10:53
なんとまあ、科学を知ったかぶりして馬鹿な実験を行ったのでしょう。磁気の効果をそんな実験で確かめることができると思っているのだろうか?どのような研究方法や法則を適用するか、を完全に間違えている。磁気治療の効果にイオンも血液も関係ないし、磁気を作用させたからといって電磁気学で説明すればよいというものではない。物理学にはいろいろな法則・理論があり体系化されている。だから、例えば、電磁気的現象をニュートン力学で説明することはできないのですよ。科学の基本をきちんと理解していないとこのような間違いをする。

生物学や医学の知識もなく、これは物理学との学際的研究分野であることも理解できていない。結論をいえば、エレキバンで治療をすることは可能であり、間違っているのは現代医学なのである。
Posted by Jkbyz67 at 2013年10月18日 10:45
>>Jkbyz67氏

なんとまあ、文旨を勘違いして馬鹿なコメントを書かれたのでしょう。この文のどこをどう解釈すればあんな下らない実験で磁気の何たるかを理解したと思っているのだろうか?文意の捉え方を完全に間違えている。

・・・と、全コピしておちょくろうと思ったけどここで飽きた。
とりあえず、そこまでおっしゃるのであればどの分野のどの論理体系に属する効用を以ってして人体に有用な効果を齎すのか、じっくり語って下さいな。
ついでに、現代医学のどこら辺が間違っているのかもね。
念のため、ピップ鰍ヘ「老廃物を流す」という効能を公式に謳っておりますので、そこらへんを踏まえた上でのご回答を是非ともお待ち致しております^^

参考 http://www.elekiban.com/effect/
Posted by 猫耳将軍 at 2013年10月19日 22:11
バカじゃないか、こんなブログで研究してきたことを明らかにする研究者なんていない。企業秘密や特許と同じことだ。何が間違いかを指摘されても理解できない人に説明する義務はないだろう。
Posted by Jkbyz67 at 2013年10月22日 03:13
これはすごい、真性っすね!
学だ論だ研究だと言うわりには論文の一本どころか、レポートや小論文すらまともに書き上げたことがございませんという臭いがプンプンするゼェ〜〜〜ッ!!

冗談はここまでにして
大学の小論講師の言葉を借りるのなら
「結論という単語を書くのが許されるのはァ!その文中で読者を納得させうる説明を必要十分に書いた場合のみ!なんですねェ!!」
「それが出来ていないレポートはぜェーんぶ紙クズ!お尻が拭ける分トイレットペーパーの方が万倍マシ!ですよォ!」
と、妙にビブラートのきいた声でさっくり赤点をもらったもんっす

>>企業秘密や特許と同じこと
そんなつもりで研究職に就いてるひとって全体の何パーセントくらいなんすかねえ・・・・・・・(遠い目
研究者の駆け出しっすが、Jkbyz67さんが院や雇い上げの研究職からは極めて程遠いお方だってのはもう言葉の端々からプンプン臭うっすよ
猫耳さんが同じ薬屋の怠慢に腹を立てる気持ちが少し理解できたっす
Posted by 匿名希望たなか at 2013年10月22日 20:56
「お前がそう思うんならそうなんだろう お前ん中ではな」
※ゆのの画像略

あ、猫耳さんのことじゃないですよ

え?もうこのネタ終わってた?f^_^;)
Posted by simose at 2013年10月23日 18:19
>>匿名希望たなか氏

ええ講師やねぇ。
論文系の講師って理系の人間以上にシステマティックな人が多いような気がします。
Posted by 猫耳将軍 at 2013年10月25日 17:33
>>Jkbyz67氏
日常でも仕事でも、おいらは能力の伴わない人間に期待をしないことにしています。
なので貴方からの有益な回答は期待していません。
Posted by 猫耳将軍 at 2013年10月25日 17:51
>>simose氏
たなか氏が言うように、彼は何も意味のある事は言っていないので、始まってすらいないのです。
Posted by 猫耳将軍 at 2013年10月25日 17:55
わたしはエレキバンが嫌いです。
理由は室内で飼われているペットや
人間のガキが誤飲して危ないからです。
エレキバンなんかを信じて使うのは、
頭のぼけかけた頑固な糞爺が多かったりします。
彼らはいくら注意しても
聞く耳を持たないタイプの人間です。
おかげでペットやクソガキが危険にさらされるのです。
とっとと販売禁止にしてもらいたいと思っています。
Posted by 通りすがり at 2014年01月04日 22:01
>>通りすがり氏
それはエレキバンではなく、それを管理する者の問題ですね。
ピップもそこまで面倒は見切れません。
Posted by 猫耳将軍 at 2014年01月09日 21:58
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