2012年07月20日

アロエニオン・ヘタイロイ!!


みんなは「医者いらず」と聞いて何を思い浮かべるだろうか。
或いはトマト。
或いはリンゴ。
もしかすると大根おろしなんていう地域の人もいるかもしれない。
これらの方々はちょっと置いてといて。
今回は医者いらずの筆頭の「アロエ」についてのお話をしよう。


恐らくはドクダミ、芍薬と並んで民間での万能薬信仰の対象となっているアロエ。
しかし、実は医薬品でアロエが配合されたものは意外と少ない。
一番有名なのは小林製薬から販売されている「間宮アロエ軟膏」だろう。
http://www.aloe-seiyaku.co.jp/products/nanko.html
というか、これが医薬品アロエ市場の8割くらいを占めているはずだ。

残る2割はというと、これまた小林から出ている「アロエ製薬便秘錠」というものだったり。
http://www.aloe-seiyaku.co.jp/products/benpi.html
これまたヤクルト社からは「アロエ錠MY」のような。
http://www.yakult.co.jp/healthcare/aroe/03.html
便通を整える作用を期待して配合されるものなんだなーという事が読み取れる。

しかし、それだけだ。
傷薬と整腸薬だけでは「万能薬」と呼ばれるのはちょいと荷が勝ち過ぎてはいないか。
万能薬と言われるからには他にも何か、現代医療の及びも付かない効果が期待できるに違いない!

と、いうことで捜索の幅を健康食品にまで広げてみると。
アロエエキスドリンク、サプリメント錠、ソフトカプセルに青汁、果てはお茶なんてもんまで出てきた。
たかが食品なので当然ながら明確な効能は謳っていないが、よく目に付くのは「生活習慣が不規則な方に」という文句。
あらあらまあまあ便利で曖昧な謳い文句ですこと。
生活習慣っつー事は睡眠時間から食事のバランス、酒タバコにストレスまでみーんな纏めて面倒見てくれるんだとさ。

一番ビックリなのは当のアロエちゃんだ。
はっきりと確認されているアロエの効果なんて「下剤的効果による便秘への効能」しかない。
後に言及するが、傷や火傷に対する効能すら眉唾ものなのだ。
それがいつの間にやら尾鰭背鰭の乱れ咲きで万能薬、医者いらずの二つ名まで戴いちまったんだから、ある意味一番の被害者と言える。

そもそもさっきからアロエアロエと言っているが、厳密には日本薬局方に記載されている(=日本で薬として認められている)アロエとは「ケープアロエ」という品種のみだ。
http://jpdb.nihs.go.jp/jp14/pdf/0809-1.pdf
同じアロエだし見た目もそこまで変わりないだろうが、こと成分を重視する医薬品としては全くの別物
対して、日本でアロエと言えばまずキダチアロエかアロエベラで、ケープアロエなんて見たことあるヤツの方が少ないだろう。
健康食品やジュース、または刺身として食すヤツもいるようだが、これらのアロエはまず間違いなくキダチアロエかアロエベラによるものだ。
ケープアロエは可食部とされる葉肉が薄く、またその葉肉までもが食用に適さないキダチアロエの外皮と同じような苦味があるためだ。
つまり、どこを取っても食えたモンじゃないって事。

とはいえ、薬局方に記載されていないから全く薬効が無いというワケでもない。
キダチアロエの外皮にはケープアロエと同じ有効成分であるバルバロインが含まれている。
だがキダチアロエは日本薬局方への記載が無いため医薬品として配合する事はできない。
ただし伊達に記載が無いのではなく、医薬品として使える程の濃度で含有していないためと見るべきだろう。
そしてアロエベラにはこの成分は確認されていない。
故にキダチ、ベラ共に幅広く食用として利用されているのだが、下剤及び整腸作用を期待するのは間違いという事になる。
ちなみに。
逃げ道を塞ぐ意味で敢えて書き加えるが、ヨーロッパ各国の薬局方にはキダチアロエが、アメリカの薬局方にはアロエベラが含まれる。
しかし何を以ってして薬局方に記載するかの基準が日本と異なるため、海外での記載を権威として利用する事には全く意味が無い
ある国で認められるから薬として扱わねばならないのならホメオパシーはとっくの昔に保険適用医療になっている事だろう。


次に先ほどちらっと触れた傷薬としてのアロエについて。
省略されてはいるが、間宮アロエ軟膏に添加されているアロエ葉肉、アロエ末共にケープアロエによるもので間違いない。
そういう意味ではきっちり薬局方に則った表記なのだが、如何せんアロエ末のどの成分が外傷に効果を示すのかがはっきりしていない
薬局方に記載されている以上は効能を謳うのは勝手だが;">「ひび、あかぎれ、切りきず、しもやけ、やけどetc」というのは添加物として扱われているワセリンの効果そのもの。
実際の使用感もそれを裏付けるもので、メモAなどの傷薬と謳いながら傷を悪化しかさせない薬と違って自然治癒の阻害こそしなかったものの、白色ワセリンと比べて特に優れた効果を齎すものでもなかった。

こと医療の発達した現代においてもなお、本草をそのまま創傷部に貼り付けて使用される植物はそう多くない。
現代では専ら便秘薬として使われるべきものだが、人類史上最も多く使用されたアロエの用途は「傷薬として」である可能性が高い。
最古はエジプトのピラミッドから出土したパピルスにも傷薬としての表記があり、アレキサンダー大王や劉備も兵に傷薬として用いた逸話からも分かる通りだ。

498707207316D-5m.jpg
             ※)画像はイメージです。実際の映像とは異なります。

しかし先にも書いた通り、アロエに含まれる「成分」には白色ワセリンと比較して特に傷を癒す効果が確認できなかった
とすれば、アロエの「成分以外のところ」に傷の治癒に関して何らかの効果を齎す特徴があるはずだ。

・・・と、大仰に書いたが、タネは十中八九アロエ特有の水分を含んだゼリー状の葉肉で間違いない。
アロエの葉肉を傷に当てるということは、消毒はおろか細菌の存在を想像すらしていない古代において、現代の最新医療である湿潤療法を知らずに実践できるという事だ。
ろくに洗浄もせず土まみれ腐肉まみれな状態と比較すれば、それはもう仙薬の如き効果だったであろうことは想像に難くない。
つまり、アロエとは劣悪な治療環境という比較対象ありきの限定条件付き妙薬ということだ。
周囲にマイナスになるモノしか無い状態であれば、そりゃあゼロのモノだって有り難がられるってもんだ。
今じゃクソみてーな配合のケ○リンやらヘ○クパウダー、富山の分包薬を未だに有り難がる阿呆がいるのと何ら変わり無い。
現代においてどーーしてもアロエを外傷に対するベストチョイスとして用いたいのであれば、サバイバル生活をするしか道は無い。
野良アロエをアテにするためにはそれなりに南方のそれなりの環境でサバイバルしなきゃならんだろうから、遭難する場所には細心の注意を払ってくれ。
そうじゃない現代人はちゃんとキズパワーパッドを使うんだぞ。

自分で野良アロエなんてケースを出しておいながらアレだけど、野草は言わずもがな、鉢植えの植物なんてどんな雑菌が住み着いてることやら。
煎じて茶として飲むならまだしも、生で傷に接触させるアロエは余計に酷い感染症を起こしたという話が非常に多い。
自然の恵み(笑)などと御目出度いお題目を口にする阿呆ほどそういったリスクを無視して重大な事故を起こす傾向にあるが、まさに自然淘汰の見本だろう。
勝手に体張ったギャグやってオチまで付くんだから、それはそれで彼らは本望なのかもしれない。


ちょっとは褒めてやろうかなーと思って書き始めたんだけど、何故かいつものように全方位攻撃に落ち着いてしまった。
まあ、いくら褒めようと思って書いても、当の本人であるおいら自身がどこを褒めて良いか分からないんだから仕方が無い。
100年前ならいくらか使い道もあったんだろうけど、残念ながらここは殺菌法と湿潤療法の確立された現代の日本だ。
そこに「仮」や「例え」を持ち出す意味がない以上、アロエに万能薬としての活路など有り得ず、この話はここで終わりだ。

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アロエみたいな葉肉の厚い植物って、寄生虫も多いんだぜ。
リアルでアロエの鉢植えが有る家だったけど、温室から出して外に植えようもんなら繊維なんだか線虫なんだか分からんくらいに寄生虫まみれになったわ。

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posted by 猫耳将軍 at 18:07| Comment(11) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
アロエはある意味すんばらしいですよ。

だって「アロエ付けたから大丈夫!」であり、実はそのアロエが原因でますますの悪化をたどっても「アロエが効かない=とてつもなく悪い菌がついている」となって、アロエはどう転んでも悪者にはならないキャラなんです。

で、じじばばに「アロエはね〜…」と苦言を呈そうもんなら、有り得ないほどの攻撃に合います。

「アンタ大学出てるからって、何もかも解ったようなことを言いなさんなよ!」と。

何もかもは解ってないけど、アロエがそんなに万能じゃないことはわかってる、うん…(-_-;)
Posted by ちゃつぼ at 2012年07月20日 23:05
いや確かにそいつアレクサンダーですけどwww
こんなピンポイントな画像どっから拾ってくるんすかww
Posted by 匿名希望たなか at 2012年07月21日 10:58
興和薬品からナチュラートコーワなんてのも出てますよね
Posted by ジェイソン at 2012年07月22日 17:23
明確な理由もそれを裏付けるソースも何もない物をどうしてあそこまで信奉できるのでしょうか
いや、むしろ明確な作用機構が明かされていればアロエはここまで多くの信者を獲得できなかったでしょう
いまアロエが抱える信者は小難しい作用を理解できる知性を持ち合わせているとは到底考えられません

ほんと、宗教そのものですね
Posted by 雨棒 at 2012年07月22日 23:33
征服王様にこんな笑顔でアロエ軟膏差し出されたら然り然り言いながら買い占めて三食アロエ軟膏で生活するわ
Posted by からこ at 2012年07月23日 16:16
>ケ○リンやヘデ○パウダー〜

激しく同感です
ああいう薬を買おうとする人に他の薬を薦めて烈火のごとく怒られた経験があります
これより良いのないか?って聞かれたから薦めたのに・・・
Posted by マユボウ at 2012年07月23日 17:29
>>ちゃつぼ氏
現実にもいますよね。
見えてる地雷踏んでるのになぜか空気を壊さないヤツ。

ところで、「アンタ大学〜」と言う人に限って、いつも自論のバックボーンが皆無なのは仕様でしょうかwww
Posted by 猫耳将軍 at 2012年07月26日 09:41
>>匿名希望たなか氏

こんなピンポイントな画像落ちてないですよww
切り貼りして自分で作ったもんです。
Posted by 猫耳将軍 at 2012年07月26日 09:42
>>ジェイソン氏
ナチュラートコーワ!確かにありますね。
興和なので言うまでも無くクソ高いアレですよね。
言われるまで部外品だと思ってましたw
Posted by 猫耳将軍 at 2012年07月26日 09:44
>>からこ氏
うんこが漏れなく緑色になりそうです。
そこまでやれば魔術回路が無くてもヘタイロイの一員になれるかもしれませんね。
Posted by 猫耳将軍 at 2012年07月26日 09:49
>>マユボウ氏
ムカつく話ですが、彼らが欲しいのは白衣着た人間による自論の正しさの裏づけであって、反対意見は求めていないという事でしょう。
おいら的にはそもそも話しかけて来んじゃねぇと感じる人種です。
Posted by 猫耳将軍 at 2012年07月26日 09:55
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