2013年08月21日

【商品紹介】大正製薬・リビタシリーズ【毒にも薬にも・・・】


いつの間にか、今年もリビタのよく売れる時期が来た。
月間指数にして平常時の3倍とちょっと、つまり年間通して8、9、10月のたった3ヶ月で一年間の半分以上の売り上げを作ることになる。
個人的に売りたいかは別にして、この時期に多少無理してでもリビタシリーズの売り場を作らない競合店には色々と負ける気がしない。

一方で、買う側がリビタシリーズを理解して買っているとはどうしても思えない。
「血圧が気になる方に!!」とかいうでかでかと目立つPOPに引寄せられて買ったものの、それがどのようにして血圧に働きかけるのかは解らないのだ。
あまつさえ、すでに処方されている薬をシカトする輩までいる始末。
発売元である大正製薬自身が消費者に理解させることを諦めているというのが大きいだろうが、理解できないモノに自らの健康を丸投げするのはいかがなものだろうか。
しゃーないからささやかながら、代わりにリビタシリーズがどういうモノなのか、説明しようということに相成ったわけだ。
ググってみるとリビタシリーズってアホみたいに沢山出てるみたいだけど、今回説明するのはメタボ対策の5種類。
つまりグルコケア、コレスケア、ナチュラルケア、ミドルケア、ファットケアの5種とさせてちょーだい。


・グルコケア粉末スティック
関与成分:難消化デキストリン


リビタシリーズ全てに言えることだが、味は非常によくできている
デキストリン由来のごく僅かなとろみ以外は粉末緑茶と遜色が無い。
デキストリンってのは大雑把に言うと食物繊維だな。

多くの人が勘違いしているだろうが、決して「血糖値を下げる」ものではない
血糖値の吸収、ひいては血糖値の上昇をおだやかにするものだ。
食事によって摂取された糖分は小腸にて吸収されるのは小学生で習う理科の通り。
そうすると血中の糖濃度が高まり、それを下げるために膵臓が頑張ってインスリンを出しちゃうわけだ。
一連の流れはモノを食べるたびに起こる反応ではあるけど、このときに急激に血糖値が上がるほどインスリンも大量に放出されるんだけど
一気にドバッとホルモンを出すのはもちろん膵臓の負担になるし、大量の糖は糖化反応を引き起こして体内組織の破壊にも繋がる。

難消化デキストリンとは、この食物に含まれる糖の吸収を阻害して、急激な血糖の上昇を抑制させるための成分だ。
さらに通常だと小腸の序盤で急激に糖が吸収されるのだが、難消化デキストリンによって小腸全体をまんべんなく使われることによって一部の便秘や下痢をある程度予防するという副次作用もある。


・コレスケアキトサン青汁
関与成分:キトサン


キトサン自体は十年以上前から健康食品として色々なダイエット食品に配合されているので、名前だけは知っている人も多いかもしれない。
このキトサンは直接コレステロールに働きかけるのではなく、少し回りくどいメカニズムのため、知名度に反してよくわからん成分だと思われる。

肝臓は血中のコレステロールから胆汁酸という消化液を作る。
これを十二指腸から放出し、脂肪の消化吸収を助けるのだが、小腸では胆汁を再吸収し、リサイクルされることになる。
このときキトサンは胆汁酸と結びつき、胆汁酸をリサイクルさせずに便として排出させる働きを持つ。
リサイクルされないということは肝臓はまた血中コレステロールを消費して胆汁酸を作ることになる。
つまり、胆汁酸の再吸収を妨げることはコレステロールの消費に直結するということだな。
エビやカニの甲殻から生成しているため、アレルギーには注意が必要だ。

・ナチュラルケア粉末スティック
関与成分:γアミノ酪酸(GABA)


GABAは脊椎動物の中枢神経に存在する伝達物質。
外部環境からのストレスによる交感神経からのノルアドレナリン分泌を抑えることにより血圧を下げることを目的としている。

・・・と、されているのだが。
これはあくまで中枢神経系での働きだ。
実も蓋もない話だが、飲食物として摂取したGABAは血液脳関門を突破できない物質であることが判明している。
中枢神経に辿り付けば何らかの反応をもたらすはずだが、そもそも辿り付けない物質と言うことだ。
大正製薬はプラセボ群との降血圧効果を示す臨床試験結果を提示はしているが、その差は最高、最低血圧共に5程度。
さらに、プラセボ群がプラセボとして使用した粉末飲料にも疑問が残る。
今回紹介する5種のなかでは一番胡散臭いという評価を下さざるを得ない。


・ミドルケア粉末スティック
関与成分:モノグルコシルヘスペリジン


ヘスペリジンとは柑橘類の皮に特に多く含まれる抗酸化物質の一種で、またの名がビタミンP
消化によって吸収された糖はやがて脂肪酸となって肝臓に貯蔵されることになるのだが、脂肪酸となってしまうと糖に比べて消費が非常に難しくなってしまう。
さらに脂肪酸の酸化が進むと中性脂肪となりこれが血中に放出させることによってVLDL値が高くなるという寸法だ。

ヘスペリジンは、このグルコースが脂肪酸になる反応を防ぐと同時に、脂肪酸を消費する反応も補助するとされている成分。
これらの働きは運動などの代謝とは別に行われるため、スイーツ共が大好きな「食べて運動せずにやせる!」という非常に魅力的な謳い文句に繋がることになる。
そりゃ脂肪酸の消費も高めるのだからすごーーーく厳密に言えば「やせる」とも言えなくもないのだが・・・。
臨床試験結果を見るに、やせる効果は数週間で数グラム程度なんじゃないのかぁ。
大正製薬もミドルケアで「やせる」的な効果は謳っていない。


・ファットケアスティックカフェ
関与成分:マンノビオース


青臭いものが続いたがトリはコーヒーだ。
コーヒー豆に含まれる食物繊維を加水分解することによって作られるコーヒー豆マンノオリゴ糖。
こいつが小腸での脂肪の吸収を阻害することで、脂肪を便中に排出させるという至ってシンプルな方法だ。
食べたものを吸収させないという性質上、脂っこい食事を摂らない時に飲んでもあまり意味が無い
既にある脂肪に働きかけたりはしない以上、これを体脂肪減少効果とは呼ばないんじゃ・・・。
とはいえ、好みもあるだろうが紹介した5種の中では一番おいしいよ。

余談だが、大正製薬はこのコーヒーと代替糖のパルスィートのセット商法を目論んでいるそうだ。


とまあ、こんな感じ。
ほんとーに科学的な根拠&誰が見ても分かる有意差があるのはグルコケアとコレスケアで、あとの3つは主観的な変化を根拠にトクホに押し込んだようにしか見えんのだよなー。
それで認可しちゃう国も国だけど。
消費者庁に医薬的なコトを担う能力なんざあるワケねーんだから、さっさと薬事法管轄下に置けばいいのに。
肝心のリビタについては、悪くは無いんだけど、30回分で約3000円の価値があるか?と言われるとおいらはちょっと手が出ない。
おいらの倍の年収があって、健康診断の結果に赤いところがあるなら、まあアリなのか?という程度だ。
うん。
年収倍あったら考える。
今の年収が倍になるころにはきっと健康診断でいろいろ引っかかる歳になってるんだろうなー。
あーヤダヤダ。

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posted by 猫耳将軍 at 22:43| 北海道 ☔| Comment(14) | TrackBack(0) | 商品紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつもたのしく読ませていただいてます。
が、今までの健康食品の記事などとは違って叩き成分が足りない気がしました(笑)
それって、リビタ自体(グルコケアとコレスケア)はそれなりに効果を期待できる商品ということなのでしょうか?気になって夜しか眠れません。
Posted by マッポ at 2013年08月23日 11:01
確かに叩き成分がいつもより控えめ・・・w
でもこのシリーズ、3千円くらいで敬老の日の贈り物にちょうどいい値段ですよね

なんてこと考えてAmazonタグクリックしたらまさかの千円台!?
お店で買ったらせいぜい3千円を数百円割るくらいですよね?
どうしてこんなに価格が違うんですか?
Posted by ポリタン at 2013年08月23日 13:43
ギャバってチョコレートとかに入ってるやつですよね?
効果のあるないは別にして、こんな高いお茶じゃなくチョコじゃだめなんでしょうか?
Posted by 紅あずま at 2013年08月24日 17:00
そのうち隔月、季刊とかになりそうっすねww
それはそれとして、お茶の味が三種類あるみたいですが3つとも同じ味なんですかね?
というか本当に本当の粉末緑茶と同じ味?
それとも「健康食品にしては」がんばってるという意味でよくできてるという意味ですか?
ダイエット敵な食品(ソイジョイとか)とかを買うといつも思うのは
×美味しい
○食べられなくもない
って感じなので、食品としてどうなのか、味のエキスパートの猫耳さんに聞いてみたいっす
Posted by 匿名希望たなか at 2013年08月25日 20:49
ああ、この時期この手の商品を買いたくなる気持ちはよくわかります^_^;

私は、EPAのサプリ飲む方向に走りかけましたが。

エパデールじゃないと、やっぱりダメなんでしょうね
Posted by simose at 2013年08月26日 18:30
>>マッポ氏
こういう質問は絶対あると思ってました。
否定する記事しか書いてないせいだと思いますが、いくらおいらでも理に基いた認めるべきところは認めるんです。
惜しむらくは、認めるだけの理を備えた健康食品があまりに少ないことと、理があってもそれが値段に見合うものである事が非常に稀である事です。
これで一日中寝ていられるでしょうか。
Posted by 猫耳将軍 at 2013年08月27日 08:56
>>ポリタン氏
調べてみたところ、Amazonでの最安値ほぼ仕入れ値+数%の価格でした。
お店を構えない&まとまった数を仕入れる等でギリギリまでコストカットしつつ、薄利多売の構えを取れるのがネットショップの強みですね。
直接の利益として算出は難しいですが、「良い」や「非常に良い」評価を稼げるであろう事もメリットの一つのはずです。
あとは店舗で買うときの動機付けと、ネットでの動機付けの違いが大きいです。
Posted by 猫耳将軍 at 2013年08月27日 09:11
>>紅あずま氏
意味がないという点では、おいしくて安いチョコのほうがずっと良いと思います。
Posted by 猫耳将軍 at 2013年08月27日 09:18
>>匿名希望たなか氏
冗談じゃなくあり得そうな話で・・・。
お茶3種についてですが、ナチュラルケアははっきり言ってマズいです。
お茶風味のナニカ的な味です。
残り二つはグルコケアにあるごくわずかなとろみを除けばほぼお茶です。
味の違いがあったとしても、粉末緑茶の商品の違いでもあり得る範囲内でした。
残りの2種ですが、コレスケアはうっすい青汁。
ファットケアはちょっと酸味が強めのコーヒーですが、これも品種の違いの範疇ですね。

結論としては、ナチュラルケア以外は十分に「食品としても飲める」味だとは感じました。
が、なにぶん嗜好品である茶とコーヒーなんで、舌の肥えた人までカバーできるかはあんまり自信がないです。
Posted by 猫耳将軍 at 2013年08月27日 09:35
>>simose氏
飲むなら飲むである程度の期間飲んでこその商品だとは思うんですけどね。
なのでこの商品を買うかどうかと決める際は、3ヶ月続けられるかどうかを基準にして欲しいですね。
EPA自体の有用性は否定しませんが、サプリメントのEPAは・・・。
Posted by 猫耳将軍 at 2013年08月27日 09:42
家族に1型糖尿病(インスリン分泌なし)の患者がいます。
小児期の発症なので、これから病気の実態を理解して成長していくのでしょうけど、そのうち周りの人が厚意でグルコケア的な何かを勧めてくることもあるかもしれないな…と若干の不安を抱いています。
ホメオパシーと比べたら(この病気の場合)かわいいものですけどね。
Posted by みすみよしか at 2013年08月28日 10:25
>>みすみよしか氏
悪気が無いのは結構だけど、それは無知の免罪符にはならないんですよね。
特にT型糖尿病のような即時に命に関わる病ならば、ほんの少しの想像力さえあれば、本人やその家族以上に自分がその病気や改善策に聡いなんざ間違っても思わないはずです。
むしろそういう愚は糖尿病に種類があることさえ知らない人間が犯すものでしょうかね。
特にホメオパシーは、こと糖尿に限っては「毒にも薬にも」ではなく「毒でしかない」ですからね。
Posted by 猫耳将軍 at 2013年08月31日 20:37
ブログランキングの紹介に書いてあるあれ
健康食品ってそんなにもうかるんですか?
Posted by グンマに棲む怪人 at 2014年06月15日 20:43
>>グンマに棲む怪人氏
少なくともメーカーは、素材という名の原材料をロクに吟味精査せずに固めて製品にしているのでメチャクチャ儲かります。

ちなみにOTC薬に「ジェネリック」という制度はありません。
聞いたことのないメーカーのバッタもんっぽい薬を店員から「ジェネリックみたいなものです」と言われて薦められることがあるかと思いますが

「パッケージと成分量だけ同じだけどロクに使う人間のことを考えずに商品化された健康食品みてーに不誠実な商品だからメーカーと小売りが儲かる薬」

と即座に脳内変換してください。
Posted by 猫耳将軍 at 2014年06月21日 21:27
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