2013年11月21日

ここで砂糖大さじ1杯と、太田胃散をひとつまみ。

健康診断が終わって結果も出ちゃうくらい放置していたけど、結果はどうだったかな?
今回はそんな中でも特に高血圧に引っかかっちゃった人には耳寄りなネタだ。

医者に高血圧と言われれば、多くの人が塩分摂取量を連想するだろう。
ナトリウムを過剰に体内に取り込むと血液の浸透圧が上昇するため、体はそれを下げるためには血液中に水分を足して薄めるという方法を取る。
血管と言うホースの太さは変わらないのに、その中に入っている血液の量だけが増えた格好だ。
当然ながら血管の特に構造的に薄い部分、つまり抹消の血管に大きな負荷をかけることとなり、パーンと破裂する場所によっては致命的なダメージを被ることとなる。
これは塩分による高血圧が体に齎す影響のほんの一例であり、他にも高コレステロール血症や肝、腎機能障害などなどなどと枚挙に遑がない。
塩は人間にとって最も身近な物質の一つであり、多くの人間の健康を損なってきた毒薬であるとも言える。

日本高血圧学会が2009年に定めた高血圧治療ガイドラインによると、日本人の塩分至適摂取量は一日6g
これは「塩分量」であって「ナトリウム量」ではない
繰り返す、「塩分量」であって「ナトリウム量」ではないのだ。
もしもこれから食べるモノの塩分量を知りたいのであれば、商品に記載された栄養成分表の「ナトリウム」の項目にある数字に2.5を乗算してやるといい。
http://www.nissinfoods.co.jp/product/p_2849.html
日清のカップヌードルなんかキリが良い数字なんじゃないかな。
ナトリウム量2g、つまり塩分量は5gだ。
カップヌードル1コ平らげただけでその日の残り塩分量はあと1g。
1gってーとあとその日食べられるのは6枚切り食パン2枚だけという笑えない計算結果になる。

・・・と。
健康を扱うブログ筆者の皆々様は口をそろえてこのよーな霞でも主食にしてんじゃねーか?と紛うような無茶を言ってのけるのでございましょーが。
「人は誰かを批判する時、いつもより少しだけ善人になる」の亜種だな。
当然ながらおいらはそんな仙人のよーな生活は送っていないし、とりあえず今んとこは送る予定も無い。
もちろん必要以上にガバガバ塩を食うよーなロック魂を持ち合わせているわけでもなければ、美味しく塩分を減らせるならそれこそ大歓迎だが、そんなスキルも面倒さに付き合うだけの心とお財布の余裕も無い大勢の一般人とそう変わりの無いポジションの人間だ。
そう、大多数のヤツは何も好き好んで塩分を摂取している訳では無いはずなんだ。
無理なく減らせる塩分があれば減らすことも吝かではないし、その分を美味いメシに宛がうことが可能なら喜んでそうするはずだ。

壮大な迂回脱線となったが、血圧の話はただの導入で、ここからが今回の本題だ。
この記事を読んでいるヤツの中に、高血圧でありながら、またはそうでなくとも、太田胃散を飲んでいるヤツはいないだろうか。
キャベジンコーワSは?
パンシロンGは?

これらの胃薬に共通するのは、飲むと胃が少しスーっとすること。
これは主に炭酸水素ナトリウムのはたらきによるもので、表向きは胃酸を中和させる目的で配合されている。
炭酸水素ナトリウム、つまり重曹は弱アルカリ性の性質をもち、これが塩酸である胃酸と中和反応を起こすことで吸熱反応を起こし、冷感を生じる。
要は胃酸に重曹を混ぜると物理的に冷たくなるからスーっとするのだ。
この時の中和反応を化学式で表すとこうなる。

NaHCO3 + HCl → NaCl + H2O + CO2

ン十年前の化学を少し覚えているヤツはこの謎の暗号の羅列を見て
「ほう、塩酸に重曹をブチ込むとNaClとH2OとCO2ができるんだな」
という事を読み取れるはずだ。
じゃあ、H2OとCO2は流石に誰でも分かるだろうが、NaClってなんぞや?
Naはナトリウムで、Clは塩素。
塩素ナトリウム?いやいや、Clは別名塩化物イオンとも呼ばれるので、正解は塩化ナトリウム、食塩だ。

つまりどーゆーことだってばよ?というと。

「オレは胃薬を飲んでいたと思ったらいつの間にか塩を食っていたんだ!何を言っているかわからないと思うがry」

というポルナレフもびっくりの摩訶不思議現象が起こってしまうのだ。
もちろん配合されている重曹の量が多いほど作られる食塩の量も多くなる。
では、それぞれの胃薬にどれだけの重曹が混ざっているかというと。

キャベジンコーワS・・・900mg
太田胃散・・・1530mg
パンシロンG・・・1950mg
   いずれも一日量

中和反応による塩化ナトリウムの重さを求めたい時は重曹の重さに0.7を乗算してやると良いので

キャベジンコーワS・・・900×0.7=630mg
太田胃散・・・1530×0.7=1071mg
パンシロンG・・・1950×0.7=1365mg


太田胃散で約1g、パンシロンGで実に1.3グラム、一日に摂取できる塩分量の実に1/5を胃薬だけで摂取してしまうことになる。
おいらのように好きなものを好きなだけ食べられるヤツにとっちゃ誤差だろうが、必死に食事制限をしてるヤツにとって1gあればどれだけメシが美味くなることか。
しかも、そこまでして配合されている重曹だが、胃薬として想定された効果はほぼ無いのだから目も当てられない。

確かに試験管内の反応は重曹が塩酸を中和して、胃全体の酸性度は下がることになる。
よってこの重曹は専ら制酸剤として配合されているワケだが、試験管と違って胃袋の中で起こる反応には続きがある。
ここまでシカトしてきたが、一緒に生まれる二酸化炭素。
重曹を強酸にブチ込んだ時に生まれる二酸化炭素は勢いが強く、まさに炭酸水のような状態になる。
このシュワシュワがクセモノで、胃壁を刺激し、活性化した胃はさらに胃酸を供給するという笑えない結果を生み出す。
刹那的に見れば確かに「制酸」と言えなくもないが、数時間スパンで見ればむしろヘタな消化酵素よりよっぽど胃液を増やす役目を担うこととなる。
しかも食物の胃内滞留時間は早いものだと2時間程度、特に消化に悪いものでもなければ3時間もあれば胃は通過する。
特に太田胃散は食後から食間、つまり胃に何も無い状態での服用も想定されているが何がしたいのだろうか。

「オレは胃酸を中和しようとry」

もはやポルナレフじゃなくても何を言っているのか分からない。
たまに俄かの聞きかじり知識で、重曹のみをスプーンでロクに計量もせずに飲んでる阿呆がいる。
何を治したいのか知らんが、早く病院で適切な治療を受けたほうがいい。
主に頭の。

さらに理解できないのが、消化を助けるための薬を標榜しながら名目上は制酸剤のこれら弱塩基成分を配合している胃薬。
本来の消化成分である胃酸を差し置いて自社謹製の消化酵素を配合するなど傲慢にも程がある。
おいらの知る限りで、消化酵素を配合していながら弱塩基成分を配合していない胃薬はパンシロンビオリズムしか無い。
尤も、他のパンシロンシリーズの配合を見る限りではそれを狙ってやったようには到底見えないが。


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無知が故に己を危険に晒すと言う意味では、素人の俄か養生なお幼児のままごとと大差無い。

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posted by 猫耳将軍 at 01:17| 北海道 ☔| Comment(17) | TrackBack(0) | お薬もろもろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月18日

ボルタレンCMの棒読みは何とかならんのか。


去る今年4月、ついに、やっと、今さら(?)ジクロフェナクナトリウムが第二類医薬品へとリスク区分が変更された。
それを受けて今年6月には大正製薬のジクロテクトシリーズが、そして8月には久光製薬のフェイタスZシリーズがリニューアルされた。

ジクロフェナクと書いても何のことか分からない人はボルタレンと脳内変換してくれ。
痛み止めとしてお世話になった、或いは現在進行形で手放せない人も多いはずだ。
実績は疑うまでもない良い薬だが、そんな便利な薬が実質自由に買えるようになるのにここまで時間を要したのには理由がある。
その高い効果のために、現行のOTC薬に比べて副作用のリスクが大きいからだ。

今回は以前書いた《念のため、おいらは質問に忌憚なく答えてくれる久光さんが大好きです。》に付け足す形で実際の商品の選択も含めてさらっと紹介しよう。

湿布剤としてのジクロフェナク製剤は現状では膏剤に対して1%しか配合されていないが、それでも現行の一般用医薬品湿布としては最も優れた効果と実績がある。
それはフェルビナクが5%配合されたリニューアル後のフェイタスを含めても揺らぐものではない。
しかし上で書いたとおり、その高い効果の裏返しで同じNSAIDsであるフェルビナク製剤に比べて添付文書の「相談すること」に大きな追加がされている


次の人は使用前に医師、薬剤師又は登録販売者にご相談ください。

・次の診断を受けた人。
消化性潰瘍、血液障害、肝臓病、腎臓病、高血圧、心臓病、インフルエンザ

・次の医薬品の投与を受けている人。
ニューキノロン系抗菌剤、トリアムテレン、リチウム、メトトレキサート、非ステロイド性消炎鎮痛剤、ステロイド剤、利尿剤、シクロスポリン、選択的セロトニン再取り込み阻害剤


何だかゴチャゴチャと病気や薬の名前が羅列されているな。
特に薬の方は使っている当事者でなければ何の薬なのかさえ理解できないモノが多いだろう。
本当はこれらの「相談すること」のほとんどはNSAIDs全般、つまりこれまで使われていたフェルビナク等にも厳密には該当するはずの事だ。
個別の病気や薬に対する「なぜ医師に相談しなくてはいけないのか?」まで説明するとそれだけで3つくらい記事が書けそうなので省くが、これまでは無視できていた事を厳密に適用しなくてはならない位にはNSAIDsとしての働きが高く、また、副作用の報告件数が多いという事になる。
自分で説明を省いておいて矛盾するが、これだけだーっと羅列されると1つでも薬を飲んでるヤツは大抵引っかかる程度には網羅されてしまっている。
もしも自分が飲んでる薬との使い合わせが心配なヤツがいたら遠慮せずにコメントに書いてくれ。

そして大事なのがもう一つ、恐らく副作用の頻度としてはこちらの方がずっと可能性が高いと思われる。

・光線過敏症
貼付部に強いかゆみを伴う発疹・発赤、はれ、刺激感、水疱・ただれ等の激しい皮膚炎症状や色素沈着、白斑があらわれ、中には発疹・発赤、かゆみ等の症状が全身に広がることがあります。また日光が当たった部位に症状があらわれたり、悪化することがあります。


要は「シップを貼った部位を強い日光に当てんなよ」という警告だ。
これも本来NSAIDsの外用薬ならサリチル酸グリコールですら起こり得る副作用なんだけど。
ジクロフェナと、同時に一般解禁されたピロキシカム、そしてモーラステープでお馴染みのケトプロフェンの3つは特に光線過敏の副作用報告が多いクセモノなんだ。
これがシップ貼ってる間だけじゃなく、使用をやめてからも一週間、できれば二週間は光に当てちゃダメってんだから面倒臭いことこの上ない。
必然的に首はもちろん腕や肩に使うときも注意が必要ということになる。
まさかこれらのシップが必要な歳にもなって腰パンしながら外出するような阿呆はいないよな?

ちなみに特に光線過敏の多いこの3成分の中でもケトプロフェンの報告数と症状の重篤さがダントツ。
おまけに
「光に当てちゃダメなんだから日焼け止め塗れば良いんじゃね?うっはwwwオレ頭いいwwww」
とか考えた阿呆はさらに症状が増強されてえらいことになる巧妙な孔明の罠。
なのにケトプロフェンのシップっておいらの覚えてる限りで少なくとも2011年には指定2類医薬品としてスイッチされちゃってるんだよねぇ。
厚生労働省の方って「リスク区分」という文字が読めない外国人か、「リスク」の意味が分からない白痴のどっちかなのはほぼ確定ですよと。
テメーらの都合で管理がクソめんどくせぇだけで誰の役にも立たねぇリスク区分なんつーもん作ったんならきっちり機能させれよクソが。

と、注意すべき点としてはこんな感じ。
無視してもいーけど、医療用としての副作用報告件数はマジで多いからな。
今までのOTC薬と同じ感覚で使って文字通り火傷しても知らんぞ。


さて、それじゃあお待ちかねの実際の商品選択について。
つっても2類にスイッチされたばかりだから、あまり選択肢が無いんだ。

まずは会社名よりもボルタレン(商品名)が有名なノバルティスファーマ。
スイスに本社を置く外資企業だ。

・ボルタレンEXテープ(7cm×10cm)
 7枚・・・980円
 14枚・・・1680円
 21枚・・・2480円
・ボルタレンEXテープL(10cm×14cm)
 7枚・・・1680円
・ボルタレンEXゲル
 25g・・・1280円 
 50g・・・1980円
・ボルタレンEXローション
 50g・・・1580円
・ボルタレンACローション(ジクロフェナク量1/3)
 50g・・・1580円



うん、さすが本家。
過不足のないラインナップだ。
ボルタレンACローションはスペック見ると誰が買うんだコレ?と思えるだろうが、ニオイが少ない処方になっているそうだ。
残念なのは、せっかくの本家本元なのにこれらOTCの製品ではノウハウと実績の詰まった医療用のボルタレンとは異なる基材を使っている事か。
何でそんなワケのわからんことをしたのかね。
それとこの先を見れば分かるけどゲル剤が高い

次は湿布剤特化の久光製薬からフェイタスZシリーズ。

・フェイタスZテープ(7cm×10cm)
 4枚・・・630円
 12枚・・・1680円
・フェイタスZシップ(10cm×14cm)
 6枚・・・1260円
・フェイタスZゲル
 25g・・・980円
 50g・・・1781円


褒めるべき点は久光独自のバリピタシートと、フェイタス3.5に引き続きモーラステープの基材を使っている所。
あとゲルだけはボルタレンに比べて安いね。
しかしラインナップは正直どうしてこうなった・・・と。
4枚なんてどこら辺の層の客が買うんだこんなもん。
しかもLサイズがシップしか無く、パッドを腰に使いたければかなり割高の12枚入りを買って下さいませお客様^^


そして最後に大正製薬のジクロテクトPROシリーズ。

・ジクロテクトPROテープ(7cm×10cm)
 7枚・・・980円
 14枚・・・1680円
・ジクロテクトPROテープL(10cm×14cm)
 7枚・・・1680円
・ジクロテクトPROゲル
 25g・・・1080円
 50g・・・1880円
・ジクロテクトPROローション
 50g・・・1580円
・ジクロテクトPROスプレー
 90g・・・1880円


価格帯は明らかにボルタレンを意識してるな。
しかしジクロテクトPROのウリは貼り損じ防止機能
興和新薬のパッド剤にも似たような機能はあるけど、ジクロテクトのそれは完全上位互換。
おいら自身も実際に自分で試したけど、クシャッと丸めてポイと放置状態から勝手に元に戻るという謎のハイスペック
もちろんシワはつくけど、3回くらい同じことやっても問題なく貼れてしまった。
もし買ったら一度は試してみて欲しい。
あ、スプレーは言うまでも無く価値無しなんでスルー推奨。


あまりのフェイタスZの酷さに3択とい言いつつ選択肢が無いという感想に落ち着いてしまった訳だが。
せっかくフェイタス3.5で築いたシェアをこんな下らない理由で壊すのも勿体無いよなぁ。
そしてこんな誰でも分かる危機感を久光の首脳陣が持ってないってのは流石に有り得ない・・・と思いたい
フェイタス5.0なんて誰得のヴァージョンアップなんてしてる場合じゃねぇよ。

やっとジクロフェナクが下りたことでこれからの湿布剤はまさに群雄割拠。
佐藤製薬も数ヶ月後に新製品の発売を予定しているし、ゼリアと第一三共がこのまま黙っているともちょっと思えない。
これから出てくる製品の付加価値次第では今回のネタなんて簡単にひっくり返るだろうから、飽くまで参考程度に頼むよ。

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うちのアフィから塗るグルコサミンを買ったヤツが4人もいる。
あんだけディスったのにマジかよ・・・。

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posted by 猫耳将軍 at 20:28| 北海道 ☔| Comment(14) | TrackBack(0) | お薬もろもろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月21日

【商品紹介】大正製薬・リビタシリーズ【毒にも薬にも・・・】


いつの間にか、今年もリビタのよく売れる時期が来た。
月間指数にして平常時の3倍とちょっと、つまり年間通して8、9、10月のたった3ヶ月で一年間の半分以上の売り上げを作ることになる。
個人的に売りたいかは別にして、この時期に多少無理してでもリビタシリーズの売り場を作らない競合店には色々と負ける気がしない。

一方で、買う側がリビタシリーズを理解して買っているとはどうしても思えない。
「血圧が気になる方に!!」とかいうでかでかと目立つPOPに引寄せられて買ったものの、それがどのようにして血圧に働きかけるのかは解らないのだ。
あまつさえ、すでに処方されている薬をシカトする輩までいる始末。
発売元である大正製薬自身が消費者に理解させることを諦めているというのが大きいだろうが、理解できないモノに自らの健康を丸投げするのはいかがなものだろうか。
しゃーないからささやかながら、代わりにリビタシリーズがどういうモノなのか、説明しようということに相成ったわけだ。
ググってみるとリビタシリーズってアホみたいに沢山出てるみたいだけど、今回説明するのはメタボ対策の5種類。
つまりグルコケア、コレスケア、ナチュラルケア、ミドルケア、ファットケアの5種とさせてちょーだい。


・グルコケア粉末スティック
関与成分:難消化デキストリン


リビタシリーズ全てに言えることだが、味は非常によくできている
デキストリン由来のごく僅かなとろみ以外は粉末緑茶と遜色が無い。
デキストリンってのは大雑把に言うと食物繊維だな。

多くの人が勘違いしているだろうが、決して「血糖値を下げる」ものではない
血糖値の吸収、ひいては血糖値の上昇をおだやかにするものだ。
食事によって摂取された糖分は小腸にて吸収されるのは小学生で習う理科の通り。
そうすると血中の糖濃度が高まり、それを下げるために膵臓が頑張ってインスリンを出しちゃうわけだ。
一連の流れはモノを食べるたびに起こる反応ではあるけど、このときに急激に血糖値が上がるほどインスリンも大量に放出されるんだけど
一気にドバッとホルモンを出すのはもちろん膵臓の負担になるし、大量の糖は糖化反応を引き起こして体内組織の破壊にも繋がる。

難消化デキストリンとは、この食物に含まれる糖の吸収を阻害して、急激な血糖の上昇を抑制させるための成分だ。
さらに通常だと小腸の序盤で急激に糖が吸収されるのだが、難消化デキストリンによって小腸全体をまんべんなく使われることによって一部の便秘や下痢をある程度予防するという副次作用もある。


・コレスケアキトサン青汁
関与成分:キトサン


キトサン自体は十年以上前から健康食品として色々なダイエット食品に配合されているので、名前だけは知っている人も多いかもしれない。
このキトサンは直接コレステロールに働きかけるのではなく、少し回りくどいメカニズムのため、知名度に反してよくわからん成分だと思われる。

肝臓は血中のコレステロールから胆汁酸という消化液を作る。
これを十二指腸から放出し、脂肪の消化吸収を助けるのだが、小腸では胆汁を再吸収し、リサイクルされることになる。
このときキトサンは胆汁酸と結びつき、胆汁酸をリサイクルさせずに便として排出させる働きを持つ。
リサイクルされないということは肝臓はまた血中コレステロールを消費して胆汁酸を作ることになる。
つまり、胆汁酸の再吸収を妨げることはコレステロールの消費に直結するということだな。
エビやカニの甲殻から生成しているため、アレルギーには注意が必要だ。

・ナチュラルケア粉末スティック
関与成分:γアミノ酪酸(GABA)


GABAは脊椎動物の中枢神経に存在する伝達物質。
外部環境からのストレスによる交感神経からのノルアドレナリン分泌を抑えることにより血圧を下げることを目的としている。

・・・と、されているのだが。
これはあくまで中枢神経系での働きだ。
実も蓋もない話だが、飲食物として摂取したGABAは血液脳関門を突破できない物質であることが判明している。
中枢神経に辿り付けば何らかの反応をもたらすはずだが、そもそも辿り付けない物質と言うことだ。
大正製薬はプラセボ群との降血圧効果を示す臨床試験結果を提示はしているが、その差は最高、最低血圧共に5程度。
さらに、プラセボ群がプラセボとして使用した粉末飲料にも疑問が残る。
今回紹介する5種のなかでは一番胡散臭いという評価を下さざるを得ない。


・ミドルケア粉末スティック
関与成分:モノグルコシルヘスペリジン


ヘスペリジンとは柑橘類の皮に特に多く含まれる抗酸化物質の一種で、またの名がビタミンP
消化によって吸収された糖はやがて脂肪酸となって肝臓に貯蔵されることになるのだが、脂肪酸となってしまうと糖に比べて消費が非常に難しくなってしまう。
さらに脂肪酸の酸化が進むと中性脂肪となりこれが血中に放出させることによってVLDL値が高くなるという寸法だ。

ヘスペリジンは、このグルコースが脂肪酸になる反応を防ぐと同時に、脂肪酸を消費する反応も補助するとされている成分。
これらの働きは運動などの代謝とは別に行われるため、スイーツ共が大好きな「食べて運動せずにやせる!」という非常に魅力的な謳い文句に繋がることになる。
そりゃ脂肪酸の消費も高めるのだからすごーーーく厳密に言えば「やせる」とも言えなくもないのだが・・・。
臨床試験結果を見るに、やせる効果は数週間で数グラム程度なんじゃないのかぁ。
大正製薬もミドルケアで「やせる」的な効果は謳っていない。


・ファットケアスティックカフェ
関与成分:マンノビオース


青臭いものが続いたがトリはコーヒーだ。
コーヒー豆に含まれる食物繊維を加水分解することによって作られるコーヒー豆マンノオリゴ糖。
こいつが小腸での脂肪の吸収を阻害することで、脂肪を便中に排出させるという至ってシンプルな方法だ。
食べたものを吸収させないという性質上、脂っこい食事を摂らない時に飲んでもあまり意味が無い
既にある脂肪に働きかけたりはしない以上、これを体脂肪減少効果とは呼ばないんじゃ・・・。
とはいえ、好みもあるだろうが紹介した5種の中では一番おいしいよ。

余談だが、大正製薬はこのコーヒーと代替糖のパルスィートのセット商法を目論んでいるそうだ。


とまあ、こんな感じ。
ほんとーに科学的な根拠&誰が見ても分かる有意差があるのはグルコケアとコレスケアで、あとの3つは主観的な変化を根拠にトクホに押し込んだようにしか見えんのだよなー。
それで認可しちゃう国も国だけど。
消費者庁に医薬的なコトを担う能力なんざあるワケねーんだから、さっさと薬事法管轄下に置けばいいのに。
肝心のリビタについては、悪くは無いんだけど、30回分で約3000円の価値があるか?と言われるとおいらはちょっと手が出ない。
おいらの倍の年収があって、健康診断の結果に赤いところがあるなら、まあアリなのか?という程度だ。
うん。
年収倍あったら考える。
今の年収が倍になるころにはきっと健康診断でいろいろ引っかかる歳になってるんだろうなー。
あーヤダヤダ。

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すっかり月刊更新になっちゃってまあ・・・。

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posted by 猫耳将軍 at 22:43| 北海道 ☔| Comment(14) | TrackBack(0) | 商品紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月31日

【商品紹介】資生堂 IHADA【概念の暴力】


カテゴリ作って開き直ったら、商品紹介記事が続くなぁ。
今回紹介するのは資生堂がイチオシの化粧品、その名も『IHADA』
読み方は「イハダ」だそうだ。
この商品自体は2011年に発売されたもので、医薬品としても特に目新しいものではない。
ブランドサイトはこんな感じ。
http://medical.shiseido.co.jp/ihada/index.html
いかにもスイーツちょい上世代好みのしそうな構成だな。

シリーズの商品は3種類。
ローション、エッセンス、クリームで、いずれも入ってる成分が異なる。
ブッ叩くのは後にするとして、まずは順番に紹介しよう。
ちなみに、添加物のカタマリそのものである化粧品に対して、さらに添加物に突っ込む野暮なことをするつもりはない。
というか突っ込んでたら記事が終わらないほどに突っ込み所しかないので省略。

●イハダ プリスクリードS 100ml 参考価格(2,680円)
[成分 分量](1g中)
クロルフェニラミンマレイン酸 10mg
アラントイン 2mg
グリチルリチン酸二カリウム 1mg

●イハダ プリスクリードD 50ml 参考価格(7,140円)
[成分 分量](1g中)
ウフェナマート 50mg
トコフェロール酢酸エステル 5mg

●イハダ プリスクリードAA 30g 参考価格(4,720円)
[成分 分量](1g中) 
ウフェナマート 50mg
ビタミンA油 2mg
トコフェロール酢酸エステル 5mg


上から順にローション、エッセンス、クリームね。
マレイン酸〜はアレルギー用のお薬で、皮膚用薬だとまんま痒み止め。
アラントインは組織の修復を助ける・・・と言われてるけどぶっちゃけ空気
トコフェロール酢酸エステルはビタミンEをカッコ良く呼んだもの。
で、聞きなれないだろうウフェナマートは非ステロイド系抗炎症薬。
効き目はステロイドよりも弱いけど、色素の沈着や皮膚の浅薄化が少ないんで、ステロイドよりは使いやすい成分ではある。
すげぇ大雑把に言うと、痛み止めを塗るようなもんだと思ってくれればいい。


さて、まず突っ込む所はというと、ブランドサイト。
おいら最初に「化粧品」として紹介したけど。
その流れでブランドサイト覘いて、この商品が医薬品だと気付いたヤツはどのくらいいる?
資生堂なんつー化粧品で有名な会社名を前面に押し出しておきながら、医薬品である旨の説明はすみっこにちょっとだけ。
なに?医薬品だって知って貰いたくないの?
だったら中途半端な薬品混ぜたりしねーで今までどおり化粧品でスイーツ共を騙してれば良かったじゃねぇか。
騙す方も騙されるほうも同レベルでお似合いだよ。
こっち来んなばっちい。

一般人はあまり気にしないだろうけど、医薬品ってのは食品以上に厳格な管理が必要なんだ。
中身の品質はもちろんだけど、CMやパッケージの外装にもすげぇ細かい決まりがたーーっくさんある。
有名なのはテレビCMでは一定音量以上で「ピンポン♪」って音を鳴らして注意喚起しなければならない、とかな。
流石にウェブサイトでそこまでする義務は無いけど、普段薬を扱ってない会社が薬を扱うんだから、医薬品であることを目立たせるくらいの機転くらい利かせろよと。
まあ、間違いなく「わざと」なんだけどね。


次に件のウフェナマート。
実はこのウフェナマートにはブフェキサマクという同じはたらき方をする兄貴分がいた。
この兄貴は回収にこそならなかったものの、現在は軒並み製造中止。
その原因は接触性皮膚炎という急性副作用にあった。
肌に塗るもんなんだから皮膚の炎症という副作用自体は珍しいものではないのだけど、こいつの副作用はちょっと重症だったんだな。
かなりの広範囲に皮膚炎が広がるという症状と「ある要素」が重く見られたらしい。

もう一度言う。
ウフェナマートもほぼ同じはたらき方をする。
じゃあ何故にブフェキサマクはアウトでウフェナマートはOKなのか?
ブフェキサマクだって非ステロイドで安全で効果も穏やか、で通ってた商品だ。
ステロイドの使い辛い場所や、子どもの皮膚にだって積極的に使われてきた。
その違いこそが「ある要素」、つまり報告数だ。
皮膚炎といえば最強のステロイドをポンポン出す屑医者ばかりで出番の無い病院処方から、OTC化されて一般医薬品へ。
これまたベクトルが反対向いてるだけで同じように屑なステロイド嫌いの客が、ブフェキサマクに飛び付く。
使用者が一気に増えることで、それまでぶっちゃけ良く分かってなかった急性副作用の全容が見えてきたと。
その全容は思ってたよりも深刻なもので
「あれ?これ馬鹿の手に届く所に置くのはヤバいんじゃね?」
となったわけだ。
商品化して月額取りながらオープンベータテストするクソネトゲみたいな事をやったんだ。

ウフェナマートにお鉢が回った理由ももう分かるよな?
副作用の報告数が少ない。
そんだけ。
マリオばっか使ってて行き詰ったからルイージで行ってみよう!!
というガキの考えそうなことを、大人が大真面目にやった結果が今のウフェナマート。
マリオもルイージもカタログスペックは同じだってば。
んで?
そのルイージをマリオですらされなかったような、長期に渡って顔面に連用して、今度はどんな報告が欲しいわけ?
カネ取ってオープンベータテストは継続中ですよ。はい。


そして量。
100mlに50ml?
多過ぎんだろ医薬品ナメてんのか。
たかが対処療法の薬をいったい何日分処方しくさってるつもりだオイ。
都合の良い所は化粧品ヅラして、客も騙されて化粧水代わりに毎日使ってくれれば万々歳だよなぁ?


あと値段。


             アホか!!!!



言及すんのも莫迦らしい。
どうして既存の医薬品を3倍に薄めて文字通り水増しただけの商品が、元の商品の4倍の値段になるんだよwwwwww
もう錬金術師にでもなっちまえよwww
ああ、目的が金(キン)か金(カネ)かの違いだけで、既に立派な錬金術師でしたねwwwサーセンwwww


ステマ臭せぇネット上の評判を見るからには効果は上々。
そりゃそうだ腐っても医薬品、阿呆共を騙すことに命を賭けてる化粧品とは根底からして違う。
今まで「マイナス」を使ってた人間が「わずかなプラス」を使ったんだ、さぞや良い反応が得られるだろうさ。
こと使用感においても細心の注意を払っているだろうね。
使い心地「は」良いんだよ。
そして悲しいかな、一般人にとってはそれが全てなんだよ。
ハンドクリームの尿素や胃薬の重曹でそれは十二分に理解してるさ。
なまじ良い使用感は、受診の妨げにしかならないこともね。

勿体無い話だ。


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こんな反発、資生堂は折り込み済みさ。
それを飲んでまで、新しいことに手を出さなきゃならんほど切羽詰まってるっつーことでもある。

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posted by 猫耳将軍 at 07:25| 北海道 ☔| Comment(20) | TrackBack(0) | お薬もろもろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月04日

【商品紹介】塗るグルコサミン キダDX【草葉の陰で大爆笑】


やあやあ久しぶり。
一ヶ月ぶりの更新だ。

今回コキ下ろす商品はコレ。




米国財団法人 野口医学研究所から発売している、その名も『塗るグルコサミン キダDX』だ。
おいらの店では二年前くらいに取り扱いを始めたっけかな。
もちろんおいらの意思ではないので悪しからず。

まず画像をよーっく見ると分かると思うけど、発売元の名前の通り千円札でお馴染みの顔がデカデカと印刷されている。
知っての通り、野口英世は間違いなく偉人だ。
その野口英世の名前と顔を背負ったこの商品。
彼の功績をこの商品に少しでも重ねた人は、この先おいらに壷や絵を売りつけられないように注意してくれ。

この商品を否定したいだけならば、たった一言で十分だ。

曰く
『「グルコサミン」と「効く」という言葉は同時かつ並列に使用されることは絶対に有り得ない』

これだけで済む。
分かるかな?
「効く」という言葉と同時に語られる事そのものが許されていない成分ということだ。
だってグルコサミンって医薬品成分じゃないもの。
何らかの症状に対して「効く」と謳うことを許されるのは医薬品のみ。
逆説的に言えば「グルコサミンはいずれの症状にも効かない」ということになる。

液体なりゼリーなり錠剤なり粉末なり、経口摂取するグルコサミンはそれこそ蔓延るクソの如く大量に発売されている。
だが、たとえそれが静脈注射だろうが舌下錠だろうが、「グルコサミンであるならばそれは即ち効かない」のだ。
それを皮膚の表面に塗りたくろうというのが、今回紹介するこの商品である。
中身はっつーとグルコサミンにMSM、それに何を目的としたのか意味不明のエミューオイルを配合したクリーム剤。
つーかエミューなんてマイナーな動物、メイン客層のジジババは知らないだろ絶対。
ダチョウの亜種程度の認識があればたぶんおk。
つまり、鳥の油を混ぜてるんだとさ。
さっき近所のイオンで鳥皮がグラム38円で売ってたよ。
フライパンで炙るだけで似たような油ができるよきっと。

さて、商品そのものに対するコキ下ろしはこれで十分だろう。
むしろお粗末過ぎてこれ以上書くべきことがない。
こんなゴミよりずっとずっと興味深いのが、さらに輪をかけてゴミクズのこの野口医学研究所だ。
とりあえずHPはこちら。
http://www.noguchi-net.com/
http://www.noguchi-inc.com/
まず設立趣旨を読んでみた時点で薄々感じてはいたが・・・
このクソ団体、活動内容は野口英世のそれとは何の共通点もない。
野口英世自身はもちろんのこと、彼の子や縁者に至るまでまったくのノータッチ。
必要なのは彼の思想ではなく、彼の名前と功績だけでそれ使って金儲け!という考えが容易に見て取れる。
野口英世は細菌学のスペシャリストであったが、その名を冠した組織のやることと言えば、専ら健康食品の開発とドマイナーな商品への認定(笑)だ。
もちろん公的機関ではないし、その認定(笑)には効果や根拠など何も存在しない。
それでも認定を得た商品の一例を挙げると

えがおのヒアルロン酸:http://www.241241.jp/
エコム エアマスク:http://ecom-japan.com/clo2/es-010.php
プラス水素水:http://www.k-praisen.co.jp/SHOP/h2_003_1.html
ゲルマニウム:http://www.groupjtc.com/jp/main.php


もう見ただけで察せるレベルの胡散臭さwww
これら全部コキ下ろすだけでご飯3杯はイケるwww
しかも認定商品の発売元=全てスポンサーのオマケ付きwwwwww
要はカネ貰って認定という名の出来レースやってるだけの茶番団体。
野口英世が人格的に優れている人だったとは全く思わないが、いくらなんでもこれは彼の名前を使う意味が全く無い。
彼は色々と自堕落な逸話の多い人間だが、医学を合理的に捕らえる人間でもあったはずだ。
そうでなければ100年前の様々な障壁の多かった時代に、わざわざアメリカで細菌学を学ぼうだなんて考える道理に合わない。
新しい概念に対する研究とは仮説から連なるトライ&エラーの繰り返しだ。
そこにミスが生まれるのは当然だが、少なくとも彼は研究者として、未確定の事象をさも確定した事象かのように嘯くことは無かったはずだ。

それこそ、研究そっちのけで健康食品を躍起になって販売し、その健康食品に対して「メディカル」などという噴飯モノの形容詞を当てはめる事など有り得ない。

「素晴らしい商品をより広めたい一心で」必死こいてエセ食品を売りさばく一方で、30万円以上もの年会費を要するプレミアムクラブなどを組織する浅ましい矛盾など犯すはずがない。

日米英各地で訴訟を起こされ、あまつさえ賠償命令が確定したにも関わらず、それを未だに無視し続ける組織であるはずがない。

あるはずがないのに。
残念ながらこの組織は現にそういう組織だ。

最後にひとつ小ネタを。
公式サイトにも記載のあるこの財団法人の住所。
1020 Locust Street Suite M-70 Philadelphia,
PA19107-6799 U.S.A

これをストリートビューで見てみると、きっと面白いものが見れるよ。
いや、正確には「見れない」かね。
つくづく、最近のマップサービスってのはとんでもないもんだねぇ。

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医学の範疇に愛や思いやり、自然なんて単語を出す組織ってのはこんなレベルだ。
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posted by 猫耳将軍 at 10:05| 北海道 ☔| Comment(40) | TrackBack(0) | エセ科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする